コロナ禍以降"愛されるマーケティング活動"に立ち返る
規模の大きい同社では、各事業会社で営業担当者が日々集める名刺が数百万の情報として名刺管理システムに収まるが、この顧客基盤を活かしてプロダクト横断的にマーケティング活動を展開することを目指した。たとえば、派遣の事業で集めた名刺に対して中途採用の案内をしたり、人事部長を抽出して営業研修の案内をしたり、総務部の役職者を抽出してファシリティのご案内をしたりといったイメージだ。こうした情報の連携を持ってインサイドセールスに取り組み、獲得した商談を各事業会社の営業に渡すことによって、シナジーを生みながら顧客の真のニーズに応えることができると考えた。
この構想は2018年からスタートし、2019年に本格始動した。ところが2020年4月7日に緊急事態宣言が出され、2019年上期を100とすると、下期には280に伸びた売上が2020年上期には196にまで落ち込んだ。緊急事態宣言によって外出できなくなり、メールによるコミュニケーションの総量が増大したうえ、企業の固定電話に電話をしても見込み客が出社をしていないなどの事情から、マーケティングファネル全体が細ってしまう現象が起きたからだ。
世の中全体が厳しい中でパーソルHDがどうあるべきかを考えた結果、同社は「顧客、そして自社の営業に愛されるマーケティング活動」を考えることに立ち返った。この「愛される」というキーワードを、繁田氏は「困っている方に、適切なものを、適切なタイミングでお届けし、そのために無駄のない連携を実現すること」と定義する。ここには、過去の営業活動で苦労した繁田氏自身の経験から、プロダクトありきの営業活動を脱却することで、次の世代の人たちにこの仕事を選んでもらいたいという思いもあった。
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