そもそも「営業活動」とは
「営業活動」とは、辞書的にとらえると「継続的に利益を創出する活動」です。株式会社、合資会社、合同会社、主にこの3つの営利法人にとっては存在の原点です。資本主義社会の日本においては、利益を上げて国に税金を納めること、これが経済活動の出発点とも言えます。
この観点から考えれば、営業に限らず企業に所属するすべての人々は、直接・間接の違いはあれど、利益を創出する活動に携わっています。これが、本日の問いに対する大前提です。
利益を創出する活動は大きく「売上を上げる」「コストを下げる」のふたつに分けられ、前者の役割を担う人たちがビジネス部門、後者がコーポレート部門、と分けることができるでしょう。未曾有の事態であったコロナ禍の約2年半は会社の業績を上げるために「コスト削減」に積極的に取り組む企業の姿も多く目にしました。財務・経理関連はもちろんリーガルテックなども含め、いわゆる「業務を効率化し、生産性を向上する業務系SaaS」の活躍にも目覚ましかったです。
では、ビジネス部門はコストを気にしてないかと言えばそうではありません。当然ながら、コストを最適化しながら売上を上げる必要があります。逆に言えば、コーポレート部門による生産性向上やコスト削減も、より良いビジネス遂行のための基盤整備ととらえることもできます。つまり、両部門は直接的ではなくても、それぞれの役割に間接的に貢献しているとも言えるため、次の図のようにたすき掛けで表現しています。
ここまでで、企業の「営業活動」つまり、利益を継続的に創出するということを分解しました。BtoB営業の営業の皆さんに意識してほしいのは、自分のお客様がコーポレート部門側であっても「利益を創出する」ことに貢献できる提案でなければ、意思決定レイヤーには刺さらないということです。
皆さんがいま用意している提案は、「お客様企業の利益創出に貢献できるものなのか」、あらためて問いを立て直してみても良いのではないでしょうか。
さて、皆さんが気になるのは、なぜ「営業職」が売上を上げなくてはならないかだと思います。次に、営業職による営業活動の原理・原則について掘り下げていきましょう。