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2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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SFA導入の課題は20年変わっていない!? リーダーは「一律に改革を仕掛けることは難しい」前提に立つ

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「複雑な商材」を売ることに疲弊する営業現場

――コロナ禍以前から日本企業の営業組織が抱えやすかった課題はどのようなものでしょうか。

ひとつは「お客様との接点づくり」ですね。企業は、営業、マーケティング、アフターセールス(カスタマーサポートやコールセンター)など複数の顧客接点を持っていますが、それぞれが独立・個別最適化されており、情報も一元管理されていないことがしばしばあります。

あるメーカーでは、既存顧客からのクレームがコールセンターに入っているのに、営業担当者はそれを知らずに新商品をのんきにプレゼンし、お客様に「その前にいま困っている、これをどうにかしてくれ!」と怒鳴られてしまったという話がありました。大なり小なり、現場で起こってしまっていることでしょう。自分たちのお客様はどういう状態か、営業はこのデータが見えないと怖いですよね。コロナ禍以前から存在した課題ですが、オフィスの中を歩いていれば誰かが情報を教えてくれるということもなくなり、顕在化してきた現状があります。

私が支援する企業のリーダーには、「ユーザー側が求めていることを見極め、顧客接点と組織を再設計する良いタイミングですね」とよくお伝えしています。課題が顕在化してきたコロナ禍は、「お客様が求めているけれど対応できていなかったこと」に着手する絶好のタイミングでもあると思います。

――対顧客の視点ではデータ一元化の課題が顕在化したということですね。一方、先ほどうかがったように純粋な営業の数は減りながらも、経営課題は「売上の伸長」、このギャップのなかで営業現場・チームにはどのような課題が残されているのでしょう。

ひとつは商材が変化するなかで「売り切れていない」こと。現場の営業は「売ること」に疲れてしまっています。典型的なパターンは、ハードウェアを販売していた会社が、IoT技術の進化によってサブスクリプションのサービスも売っていかねばならないという変化です。売り方はまったく変わってきますし、日本には代理店販売も多いですから、複雑な商材×複雑な商流となると、もはやプロセスマネジメントができている企業も少ないでしょう。

会社は、顧客のニーズに合わせて複雑で新しい製品やサービスをどんどんつくりますが、残念なことに売る側は売りづらくてしょうがない。クロージングに向かう間に、本書でも触れた「4つの不」を解消していく必要があるのですが、正解がわからない状況にある営業も多いはずです。端的に言えば、新しいものを売る「型」がないわけです。「どうやって売るんだろう」という思いを抱えたまま、売り切るのは至難の業なのです。

――営業に求められるスキルもまた複雑で難しくなっているんですね。そして、マネージャーは、新しい商材を売るプロセスについて経験がないということでしょうか。

そうですね。プロセスや役割分担の手法にも皆さん困っているのでしょう。たとえば海外ではもう少し職種が分かれていて、分業・専業化されています。「ハイタッチ担当」「アカウントマネジメント・エンゲージメント担当」「ソリューションチームからきたテクノロジーサポート担当」というように役割ごとに営業職がいるわけです。アカウントセールス、ソリューションセールス、インサイドセールス、セールスマーケテイングもそうですよね。ここが日本と欧米型の営業組織の大きな違いで、日本で同様の取り組みを目指すと「タコつぼ化」しやすい傾向があります。欧米型も明確に役割は決まってはいますが、KPI設定に工夫があり、工程をまたがるかたちで隣接するチームが同様のKPIを持つのです。

たとえば、見込み客にインサイドセールスが架電しアポを獲得しますが、これを「有効商談1件」と評価をするのは次の工程にいるフィールドセールスです。たとえたくさんアポが獲得されても、それが「商談」にならなければ、無駄な労力をかけることになり、両職種間における信頼感も失われます。もちろん、インサイドセールスの前工程であるマーケティングが「イベントを何回実施したか」「どれくらいの見込み客と接点を持ったか」は先行指標ではありますが、それが売上につながったかを振り返る仕組みが必要です。このような全体最適なKPIの組み立て方と役割分担、それぞれのロールに対する育成に日本ではまだ曖昧な部分が残っていると思います。

――それぞれの役割を明確にしながらも連携していく、ある意味で「逆算力」みたいなものがあらゆるシーンで求められるスキルになっているようにも思います。

そうですね。日本でも海外でも「お客様に信頼される」ことは非常に重要です。ご飯やゴルフに一緒に行くのも良いでしょう。ただ「信頼だけ」では売れなくなっている時代です。あらゆる製品がコモディティ化していて、「商品力だけ」で売ることも難しい。お客様の課題は何か、それをどう解決できるのか? を言語化する力はもちろん、「モノ」ではなく「サービス」をお客様に適切に提案し、届けられるか。何段階かのプロセスを経て、「最後はあなたに任せるよ」と言われる信頼営業みたいなものがあるんですね。究極的には人と人のつながりが意思決定につながることも間違いないですが、そこに到達するまでの型をどうつくるかを考えなければなりません。

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最先端の営業組織は「フォーキャスト」がぶれない

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SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

塩田賢二(シオタケンジ)

フリーランスグラファー。ウェブ広告、アーティスト撮影、ブライダル、プロフ・宣材写真撮影。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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