キーワードは「何を体験してもらうか」
西尾氏は、提供するUMUのデザイン設計「段階練習」「即時フィードバック」「お手本の提供」「個別指導」の流れに沿った、ひとつの事例を紹介した。新しく入社した社員に対して、「会社概要についてインプット⇒会社を説明する様子をスマートフォンで撮影⇒撮影した動画をアウトプット⇒AIが評価を行い、分析レポートとして返送される」というものだ。AIからのフィードバック(分析レポート)を参照したうえで再度チャレンジすることも可能で、「インプット・アウトプット・フィードバックの組み合わせは、ひとりあたり7〜8回ほど撮り直しを行い、満足いく成果が得られる方が多いです」と西尾氏は説明する。
営業時間外も練習ができることやオンライン上でほかの社員の進捗状況が一覧できること、受講生同士でお互いにフィードバックを行うことができる点も特徴として語られた。
西尾氏は「オンボーディングの際には、OJT形式で教育を行うのではなく、UMUのデザインやコンテンツを良くすることでより効率的に改善されていく」と説明したうえで、他社の活用事例を3つ紹介した。
1. 日系企業の新人教育
OJTではなくシステム上でオンボーディングを実施。各プログラムを受講したユーザーそれぞれがどのような成果を得られたのかが分析された。
2. 販売代理店のトレーニング
全国の販売代理店のスタッフに対して実施。学習レベルが異なる4つのフェーズにレベルが分けられたプログラムが用意された。
3. 営業分析のトレーニング
予算達成率と練習回数の相関性を測り、インプット・アウトプットそれぞれの視点から関連性が分析された。
UMUを活用し、幅広い業界・規模のユーザーの学習効果を向上した実績多数
営業教育・新人教育・OJT・内定者教育・学習プラットフォームなど、詳細な事例に興味がある方は導入企業事例インタビューをご覧ください。
なお、育成に活用するコンテンツづくりに苦戦するユーザーに向けて、スクリプトを入れ込むとAIが読み込んで発話する「AI音声スライド」機能も併せて紹介された。コンテンツにかかる負担を軽減するほか、積極的に改善を重ねられるようになるため、オンボーディングのクオリティを底上げできる点が利点であると語られた。
「積極的なインプットとアウトプットに取り組みながら、ナレッジシェアや事例紹介を通じて『線』を『面』にしていく――本セッションではオンボーディングのフェーズを切り出して紹介しましたが、その前後をデザインすることでも成果は変わってくるでしょう」(西尾氏)
セッションの終盤では「仕事での経験」「他者との関わり」「研修・学習」が人を形成する、という「70:20:10の法則」に触れたうえで、「何を学んでもらうか」以上に「何を体験してもらうか」のデザイン設計が重要になる、と述べた西尾氏。「そうしたシステムの1つひとつをデータに基づいてデザインしていくことが大切です。テクノロジーの活用を通して、より有用性の高いオンボーディングへと転換し、自社で活躍する人材を育成していきましょう」と語りかけ、セッションを締めくくった。