「他薦」による信頼の積み重ねがブランドをつくる
ブランドとは、広告や、自ら「お勧めです!買ってください!」と発信することだけでつくることができるものではなく、「信頼の積み重ねによってつくられるもの」です。「ブランドづくり」にPRは非常に効率的です。
PRによる認知は、広告のように一気に広がることはありませんが、小さな掲載からじわじわと広がります。雑誌・新聞の掲載やテレビ放送、顧客が信頼する方のSNS投稿など、さまざまな媒体で露出が増えるうちに、認知度は徐々に広がっていくものです。PRの活用は、短期的ではなく、長期的な認知拡大施策であり、「選ばれ続ける」ために必要な信頼感や安心感を醸成することができます。
PRもコロナ禍以降、スタイルに大きな違いが出てきたと感じています。営業活動もコロナ禍となる前は、着実に相手に魅力を伝える営業スタイルの地上戦(1対1の対面)が主流でしたが、一気にオンライン化が進んだ現在は、SNSやPRを活用する空中戦(=信頼ある多数の情報を活用した場所を問わないセールス)が重要になってきていると感じています。
自分で営業(自薦)するだけではなく、「メディアという第三者」が後押し(他薦)してくれることで、「商品の信頼度」が増します。さらに、SNSを掛け合わせることでより多くの方に広く自社の商品の魅力を伝えることができ、拡散という「独り歩き営業」が可能になるのです。直接商品の魅力を直接伝えづらい今、BtoCだけではなく、BtoBにおいてもメディア掲載を活用していくことは重要なのです。
メディア掲載は自らつくる! 今の時代に必要な「攻めの広報」
そのためにも、メディア掲載を獲得していくことが大切です。多くの方は、メディア掲載は自然に依頼がくるもの(取材依頼が来るまで待つもの)と思われていますが、実はそうではありません。大企業や、有名企業など自然に取材依頼が舞い込む企業では「待ちの広報」で十分ですが、成長企業においては「攻めの広報」として、自らメディアにアプローチし取材を獲得していくことが必要です。待っているだけでは、メディア掲載をつかむことはできません。
BtoB企業の場合は、業界誌や業界専門のウェブメディアへのアプロ―チがお勧めです。一般の新聞や雑誌と違い、プレスリリースやメディアアプローチも比較的少なく、メディア側も情報を求めている場合が多いです。さらに、ターゲットがセグメントされている業界紙は掲載確率も高いと言われています。
一方、BtoBの情報は一般の新聞や雑誌などには掲載されにくいと言われていますが、一般紙への掲載を目指す場合はコツが必要です。商品そのものをアプローチするのではなく、「企業の社風」や紆余曲折のある「社長のストーリー」、子育て支援や女性活躍などの「会社としての取り組み」を打ち出すのがポイントです。
しかし、まずは専門分野の業界誌やウェブマガジンなどから1つひとつ掲載を目指し、掲載実績を増やしていくことが大切です。