テレアポに嫌悪感を抱き、手紙の活用方法を探求
SalesZine読者の皆さま、初めまして。手紙を活用したセールス支援・コンサルティングを行う株式会社letable代表の髙橋直也と申します。かんたんに自己紹介をさせてください。
私は新卒でみずほFGに入社し、営業としてオーナー社長や役員向けに金融商品の販売・運用提案を行ってきました。当時の私はテレアポに対して嫌悪感を抱いていました。そこで、代替手段として手紙の活用方法を探求し工夫を重ねたところ、大口顧客を次々に開拓することに成功したのです。
その後、アクセンチュアに入社して大手金融機関におけるCRMツール導入支援プロジェクトにも従事してきました。独立してからは、複数の事業立ち上げを経験したのですが、その中で「顧客開拓・関係構築ツールとして手紙に勝るものはない」とその可能性を改めて認識し、当社の創業へと至りました。
本連載では、ウェブ上でまとまった情報にアクセスしづらい「手紙営業」について、読者の皆さまが明日から実践できるような情報をご提供していければと思っています。
Withコロナ時代、手紙営業に注目が集まっている理由
現在、手紙営業に注目が集まっている理由は、2020年以降のビジネス環境の変化にあります。2020年、新型コロナウイルスの流行によってテレワークの導入が進み、それに伴ったさまざまな変化が起きました。そのひとつが、担当者とつながり、商談をスタートさせる機会が減ったことです。
一般的な企業のアウトバウンド施策と言えばテレアポが代表的ですが、テレワークの導入でオフィスに人がいなければ、そもそも電話がつながりません。また、出社日を設けていても、テレワーク導入時に受電対応を外部に委託し、そのまま利用している企業が多いため、営業電話を担当者につないでもらいにくいのです。このように、現在のビジネス環境では、従来型の営業での商談の機会獲得が難しくなってきています。
その中で注目されているのが、手紙営業です。手紙はかたちとして残るため、担当者や決裁権者への確実なアプローチができるメリットがあります。
テレアポでは、架電時に担当者につながらなかった場合、営業内容を説明する機会はありません。しかし、手紙営業ではその場に担当者がいなくても、担当者のデスクに手紙という「もの」が残り、営業内容が担当者に伝わる機会が生まれます。たとえ、担当者が週に1、2回の出社であっても、一度手紙を送っておけば、デスクに置いてある手紙の内容を出社時に確認してもらえるのです。また、在宅勤務比率が100%の企業も役員のみは定期的に出社するケースが多く、手紙を用いた決裁権者へのアプローチも可能です。
証券会社や通信系の会社では定番となっていた営業ツールとしての手紙ですが、昨今のビジネス環境の変化を受けて、改めてその有効性が認識され始めたと言えるでしょう。