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対応人員はひとりにつき約30社を目安に 「びっくり解約」阻止に必要なカスタマーサクセスの重要指標

 サブスクリプション型サービスの急増に伴い、あらゆる業界においてユーザーの継続利用率の向上が課題となっています。そんな中で伴走支援を通して顧客の成功を実現し、収益の拡大にもつながる職種として注目を集めるのがカスタマーサクセスです。一方で国内企業における成功事例はまだ決して多くはありません。本連載ではカスタマーサクセス支援活動ツール「CustomerCore」を提供するリンク・内木場さんが100以上の企業との対話から見えてきた、カスタマーサクセスの現状と課題について解説していきます。

契約獲得が目標の営業活動と混同しない 本質はハイタッチコミュニケーション

 前回「IT企業経営者の認知は3割弱 営業活動と分けて新たに『カスタマーサクセス』を設置するべき理由」では、カスタマーサクセスが能動的な部門であるべき理由について解説しました。

 能動的な活動であるなら「顧客と近しい関係にある営業担当こそ、カスタマーサクセス活動へ取り組むのにふさわしいのでは?」との考えに至る経営層もいます。しかし、そもそも契約獲得を目標とする営業と、契約後のサポートを行っていくカスタマーサクセスでは、役割が異なることを理解しておかなければなりません。

 営業担当者の場合は、顧客接点をつくりながらも同時にノルマや目標値などの数字を追いかけるのが仕事です。「この活動が今月の数字につながるなら」という意識を優先して営業活動を行っているはずですから、「顧客獲得」の先にある「伴走」や「先回り」という行動までを求めるのは難しいのです。

 カスタマーサクセス導入後に失敗してしまう原因の多くが、「達成すべきだと考えていたミッションが実は異なっていた」というもの。

 カスタマーサクセスの活動は、ロイヤルティの維持や重要顧客の維持、LTVの最大化などこちらからのプロアクティブな行動となります。もし現状、カスタマーサポート部門でカスタマーサクセスの役割を担っている場合は、将来的には切り離し、会社としての新たな役割としてチームを編成することを目標とすべきです。

 リソースが限られている以上、オンボーディングと丁寧な定期フォローをすべての企業に同様に行うのは非常に困難です。効率的に利益を追求するためには、顧客の区分に応じたアプローチが必要です。

 カスタマーサクセスでは、一般的な顧客分類が存在します。それが、「ハイタッチ層」「ロータッチ層」「テックタッチ層」と呼ばれる分類で、対応する際のポイントがそれぞれ異なります。

 ハイタッチ層は、自社の利益に貢献する「大口顧客」。また、3つの顧客分類はピラミッド状に表現でき、このハイタッチ層はピラミッドの頂点に位置するもっとも数が少ない層です。このハイタッチ層に対しては、訪問や電話対応などによる個別の丁寧なアプローチなどの手厚い支援やきめ細やかな対応、適切なタイミングでの先回りが重要です。顧客側が自覚するよりも前に、状態変化を能動的に察知できるのが理想でしょう。

 

 アップセルやクロスセル、代替案などを共に考案する行為は、さらに顧客の期待値を上回る効果が期待できます。顧客層の定義については、現在の契約金額やプランだけで判断するのではなく、将来的な可能性も含めて判断してください。

 参考としてお伝えすると、ロータッチ層は、ハイタッチ層の次に対応優先度の高い顧客で、ハイタッチ層と次に挙げるテックタッチ層の中間層にあたります。ロータッチ層に対しては顧客が必要とするタイミングを逃さずに対応することを重視し、発生した問い合わせに対して期待値を上回ることが最重要です。つまり、カスタマーサポート部門での役割が大きいと言えます。

 テックタッチ層とはピラミッド層の最下層に位置し、個々の利益貢献度は低くても、数が多いため収益への貢献度が高い層です。テックタッチ層は、その名のとおりテクノロジーを駆使し、ストレスなく自己解決できる環境を整えることが重要です。たとえば、オンラインマニュアルやQ&Aを充実させることのほか、新サービスの紹介などについてもMA(マーケティングオートメーション)を利用してメールで自動配信するといった方法を採用すると良いでしょう。ここはマーケティング部門と一緒に活動するケースも多い領域です。

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