非IT業界の営業現場が直面した変化とは?
山本(日本マイクロソフト) 本日モデレーターを務めます、日本マイクロソフトの山本と申します。本日は宜しくお願いします。
山口(アンドパッド) アンドパッドの山口と申します。当社は、建設業の施工管理現場向けに「アンドパッド」というスマートフォーンで使えるアプリケーションを提供しています。我々はIT企業ですが、お客様として住宅メーカーさんや工務店さんなど非IT企業の方と向き合うことが多いです。
石毛(プルデンシャル生命保険) プルデンシャル生命保険より参りました、石毛と申します。僕は不動産業界の営業出身で、こういったIT業界とはまったく異なるところから来ているのですが……チーフマーケティングオフィサー、といういわゆる「営業本部長」の肩書きで参加させていただいております。
山本 本題はパネルディスカッションではありますが、まずは私のほうから、DXを取り巻く昨今の現状を簡単に説明します。
このイベントも含めて、コロナ禍のビジネスシーンにおいてはさまざまなオンライン化が進んでいます。マイクロソフトのCEOであるサティア・ナデラの「この2ヵ月間で2年のデジタル変革が起きた」という言葉が端的に表しているように、この半年から1年にかけて、みなさんの周囲状況は一変したのではないかと思います。
マイクロソフトがこういったことを言うと、視聴者の方々は「マイクロソフトだからできたのではないか」「IT業界だからできたのではないか」とおっしゃるかもしれませんが……。本日はIT業界ではない、建設業界と保険業界のリアルな現場において、どういったデジタル変革が行われているのかをお話しいただきます。
現在、マイクロソフトでもインサイドセールス部隊に大きく投資しています。「近い将来、対面での営業は営業担当にとって不利になるだろう」という言説は本当なのか。マイクロソフトのデジタルセールスのお話は本日割愛させていただきますが、実際に業界問わず、どういった取り組みが行われているのか、が本日のテーマです。「営業のDX」において、各業界はいったいどのように変化してきたのかをテーマに、本音ベースでディスカッションできればと思います。
ではまず最初の質問です。二社では、オンライン商談は実施されていますか?
山口 「2年の変化が2ヵ月で起きた」というお話がありましたが、まさしく我々も直面しました。これまでは、商談時や、ツールを使い始めてもらう際のオンボーディングにおいて、お客様の価値観に合わせて全国津々浦々に訪問する営業活動を実施していました。そんななか、4月以降は劇的にオンライン化が進みましたよね。我々が先んじてフルリモートになった時期は、お客様と目線を合わせることに難しさを感じる場面もありましたが、緊急事態宣言以降、オンライン商談は軒並み当たり前なものになり、それらが現在も続いています。これまで、なかなか自力だけでは変わることができなかった部分が、一気にガラッと転換したタイミングだったように感じています。
山本 オンライン商談はほぼ100%で実施されているのですね。このあとのディスカッションで工夫や苦悩を深く掘り下げていきたいです。石毛さんはいかがでしょうか。
石毛 3月2日、お客様を感染症のリスクにさらしてはいけないということで、会社として対面営業をストップしました。会社の文化として、お客様から契約をいただかないことは許容されても、お客様をお守りできないことはあってはなりません。そういった背景から商談のオンライン化をスタートさせました。当社がオンライン商談に踏み切ったことは業界内で非常に衝撃的なニュースだったかと思います。