セールスアクション前にしっかりと調査する
採用ソフトウエアを開発する企業Lever社のインサイドセールスマネージャーMegan Dunn氏は、Oracle社とOkta社でも長年インサイドセールスに携わってきました。Dunn氏は、インサイドセールスにおけるもっとも効果的な販売戦術について「顧客についてしっかり調査し、購入担当者に対してしっかり知っていると示すということ」と語っています(参考:『16 inside sales pros share most effective sales tactics for closing leads (fast). 3.Treat yourself as a consultant and chief problem-solver.— Megan Dunn, Inside Sales at Lever』) 。
コールドアカウント(そこまで確度の高くないリード)にメールを送付する際も、高確度なリードにコンタクトする際も、相手について同じように調査することが重要だとDunn氏は主張します。一見、効率重視のインサイドセールスからはかけ離れた手法のようです。
しかし、手間を惜しまず事前調査をしっかりと行うことは、のちの関係づくりに役立ちます。インサイドセールスメンバー1人ひとりが、十分な調査のもとコンサルティング的なアプローチをして顧客に深く共感を示すことができれば、顧客がそれに気がついたとき長期的で良好な関係性を築けるメリットが期待できます。
さらに、インサイドセールスが顧客の悩みを解決するアドバイザー的な存在となり、顧客の持つ課題や悩みにコンサルティングアプローチをすることで、強引な刈り取り型の営業と差別化を図れます。自社の課題に対して親身になって考えてくれる営業と、製品を売ることしか考えていない(というのが見え見えな)営業とでは、前者のほうに相談したくなりますよね。
コンサルティングアプローチで丁寧に対応することで、顧客はインサイドセールス担当者を必要とするようになります。訪問営業では自然とこれができていることが多い一方で、遠隔で営業するインサイドセールスは顧客担当者の悩みを具体的にイメージしづらく、あっさりと対応してしまいがちです。
インサイドセールスは、まずは検討しようと思ってくれている顧客の気持ちを尊重するために、顧客について十分調査し、寄り添える材料をたくさん準備しておきましょう。インサイドセールスが顧客の問題解決者として活動をすることで、顧客はより信頼を寄せてくるようになるのです。一方でせっかくたっぷりと事前調査を行った顧客だとしても、条件が合わず失注してしまったときは、深追いしすぎず次の顧客のための準備へ心を切り替えることも必要です。