初期段階で明確なPDCAの設定を
インサイドセールスの運用では、いかに効率よくコンバージョンを獲得していくかがカギとなります。企業が求めるインサイドセールスの機能を最大限発揮するには、運用前にある程度詳細なPDCAを設定すべきです。
「P」目標設定:チーム全体での達成を目指す
インサイドセールス、フィールドセールス問わず、営業活動には目標設定が不可欠。前回設定したKPIをもとに、個人の目標を設定していきましょう。そのためには、会社がインサイドセールスチームに求める活躍を、個人が具体的に理解できていることが必要です。
評価の対象になる目標設定については、メンバーとリーダーのみの共有でも問題ないでしょう。しかし、チームで協力できる体制を構築するため、チームメンバーの目標はできるだけオープンにするのがベストです。個人主義にならず、営業全体の目標をチーム全員で追っていける。これが理想の状態といえます。
「D」行動:必要データを集めながら営業活動
営業活動をするうえで、リード発生からクロージングまで顧客のさまざまなデータが集まります。効率よくコンバージョンを獲得するためには、データの活用がポイントとなります。のちの「C」のために、活動中どんな活動をするのか、どの数字を残しておけばよいのかをあらかじめ決めておき、それを管理するフォーマットも準備しておきましょう。
「P」で設定した個人目標、チームの目標を貪欲に追っていくのはもちろん、基本的にチームプレーのため、「どうしたらより良い営業ができるか」を日ごろの営業活動の中で探していくことも重要です。機械的に営業していくのではなく、そういった改善提案が全員でできるように意識していきたいですね。
「C」評価:収集データとメンバーの感触を大切に
「C」は、データの管理と活用を重視するインサイドセールスにとって、もっとも重要なパートと言っても過言ではありません。無意識に営業することは、作業スピードこそ上がりますが、営業活動のレベルアップは見込めません。月に1回以上、「もっと効率よくコンバージョンさせるには」「(単一サービスだけではなく、ほかのサービスのクロス契約にもつながるような)コンバージョンの領域を広げるには」など、メンバー同士で話し合いましょう。
個人目標の進捗について、メンバーによって大きな差が生じているかもしれません。メンバーのケアのための時間も必要です。目標に達成しなかった要因をデータとメンバーの感触から多角的に洗い出し、素早く改善策を提案しましょう。
改善案が出なかったときには、場合によっては「もう1ヵ月様子を見てデータを集めてみる」という手段もあります。チームで活動をこなしていくうちに、自然とメンバーから改善意見が出てくるようになるのが理想です。
「A」実行:高速PDCAでトライアンドエラーを繰り返す
「C」での反省点をもとに改善案を考えたら、それを実行してみます。序盤で違和感に気づいたらすぐに軌道修正しましょう。反省ごとに新しい方法を試してみたり、あえて変わった方法で挑戦してみたりと、はじめは小さなストレスがたくさん生じるかもしれません。しかし、高速でPDCAを回すことは確実にチームの急成長につながります。チームの成長とはコンバージョン率を高めることも意味します。