ジェネシスクラウドサービスは、日本企業のCXにおけるAIの利用状況に関する調査結果を発表した。
AI導入が一般的になりつつあるCX関連業務
ジェネシスが実施した本調査では、AIを導入済みまたは導入を計画している企業の57.4%がCX業務にAIを使用、もしくは使用を検討しており、顧客体験戦略におけるAI活用が一般化しつつあることを示している。また、CXにAIを導入している企業の86.4%が「(AIを)効果的に活用している」と回答しており、各社のビジネス目標の達成の背景には、AIの利活用が関わっていることがわかる。
生成AI活用によって、日本企業のCX戦略は業務自動化から「顧客理解」へシフト
AIに対する期待としては、「応答時間の短縮や迅速なサービス提供」が54.7%、「24/7のサービス提供およびセルフサービスオプションの拡充」が51%など、CX業務の効率化を利点としてあげている。それに対して、生成AIに対するもっとも高い期待は「顧客理解の向上」(54.7%)であり、「顧客対応などの自動化」(41%)を上回った。
AI導入における課題と懸念
一方、調査結果からは、AI導入にはいくつかの懸念があることも明らかになった。もっとも一般的な課題は「技術を理解するスタッフの不足」(44.3%)で、これはAI導入の障壁となっており、より良いトレーニングおよび採用の必要性を示している。次いで、「エラーや不正確さ」が27.3%、「セキュリティリスク」が21.7%で、主な懸念事項としてあげられた。
また、CX分野においては、「信頼の構築」(52%)や「顧客の視点や感情の理解」(46.7%)はAIでは代替不可能とされており、AIがCXの側面を向上させる一方で、特定の人間的要素はAI技術では対応ができないものととらえられていることが調査結果から判明した。
【調査概要】
調査方法:調査会社によるアンケート調査
調査期間:2024年6月
対象者:社員数が500人以上、係長以上の意思決定者300名