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JMAM、管理職の「目標管理の運用実態」の調査結果を発表 「目標達成度評価」に課題感

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 日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)は、部下を持つ管理者322名を対象に「目標管理の運用実態」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。

調査概要
  • 調査目的:目標管理や人事評価の運用における現状を把握すること
  • 実施時期:2022年11月
  • 対象者:目標管理制度を導入している企業の、評価対象の部下を持つ課長・部長層
  • 調査方法:Webアンケート回答
  • 有効回答数:322名

調査結果サマリ

 目標管理の運用実態を把握するにあたり、期初~期中~期末といった時系列において、目標管理の運用上のチェック項目を設定。5カテゴリ×3問の質問項目について5件法(たいへんあてはまる~まったくあてはまらない)で調査を実施した。

クリックすると拡大します

 結果として、次のような傾向が見て取れた。

 カテゴリ別の質問(5件法、各3問)の平均値を集計したところ、期初(A~B)における得点が高く、期末(とくにD)の得点が低い結果になった。また、振り返り段階(D~E)においても、得点がE(次期に向けた成長支援)>D(目標達成度評価)となった。

JMAMによる総括

 同社は調査結果から次のように現状の解釈を行った。

1. 現状のまとめ

1)組織目標・方針から個人へのブレークダウンのプロセスに断絶

 期初(A~B)の得点は比較的高かった一方で、個別の質問の回答を見ると、「組織目標の説明・共有」に比べ「個々の役割分担」「個別の能力・資質を考慮したアサイン」は得点が下がる傾向が見られた。上位方針や目標を「伝達」する場はあっても、個別の分業・協業のあり方やそれにあたっての個別のタレント(能力や資質)の発揮のあり方に合わせて目標を展開するプロセスについては、実践度が低いようである。

2)結果として「達成度の振り返り」も深いレベルに至らない

 組織と個のつながりが十分に担保されないまま、上司と部下の個別の活動のサイクルだけが回り始めることで、個人目標の達成度の背景にある要因の分析が十分に進まないのではないかと推測。

3)次に向けた「新たな組織目標・方針」の設定が始まる

 組織・個人とも振り返りよりも次期の活動への関心が高く、十分な振り返りを経ない状況で、次の課題に取り組んでしまっていると推測。

2.対応の方向性

1)組織目標・方針から個人への展開プロセスの充実化

 期初(A~B)における組織から個への目標の落とし込みを強化するうえで、それらを丁寧に行うための「場」の設定が必要と考えられる。たとえば、次の図にあるようなワークショップ型のミーティングを実施するなどして、組織の目標・方針を共有したり、個の役割についてお互いに把握し合い、分業と協業の境目を明確に認識し合ったりするなどの施策が考えられる。

2)マネジメント層の目標展開能力の向上

 ミーティングだけでなく、上司が部下に対して個別に目標を展開し、設定指導を行うプロセスも強化が求められる。次の図にあるように、ロジックツリー状に目標を展開したり、それらを個別の役割・目標に落とし込むような「コンセプチュアルスキル」を養成したりすることが求められそうである。

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