東京商工リサーチ(TSR)と一橋大学は、「機械学習手法・AIを用いた企業の将来予測」に関する特許出願を行ったと発表。
ここで言う「企業の将来予測」の代表的な例として、企業の倒産、休廃業、解散、被合併など、企業の退出に対応する出来事のほか、売上や利益の顕著な成長、雇用の大幅な伸長、労働生産性の向上など、企業の成長に対応するイベントが挙げられる。
共同研究の目的および特許出願の経緯としては、リスク管理のためのデフォルト予測などの業務で現在も用いられている伝統的な手法(例:回帰分析)は、モデル構築に当たって考慮することのできる変数の数に限りがあることや、モデル構築に際して分析者の裁量が存在してしまうなど、いわゆる"ビックデータの分析"とは相性が悪いことがある。
このような課題を踏まえて、TSRと一橋大学(大学院経営管理研究科・宮川大介准教授)では、TSRが長期にわたって構築してきた日本全国の企業を対象とする企業レベルビックデータと機械学習手法・AIを用いて、高精度の将来予測モデル構築を目的とした共同研究を進めてきた。
そして今回、こうした共同研究の成果として、TSRと一橋大学は、企業レベルで発生する将来の出来事を予測するための「学習用データセットとその生成方法」、および「機械学習・AIの手法を用いた将来予測方法と予測プログラム」を発明し、これを特許として共同出願したとのこと。