総務専門誌『月刊総務』を発行する月刊総務は、全国の総務担当者を対象に「男性育休に関する調査」を実施し、137名から回答を得た。
半数近くが男性社員の育休取得実績あり
これまで育休を取得した男性社員はいるかたずねたところ、「いる」が48.9%、「いない」が47.4%とで、ほぼ半々という結果となった(n=137/全体)。
3割以上が男性育休を取りやすい風土を作る施策を「何もしていない」
男性育休を取りやすい風土を作るために実施している施策についてたずねたところ、最多は「育休を取得できることの周知徹底」で42.3%、「何もしていない」が33.6%という結果だった(n=137/全体)。
男性育休に積極的に取り組めない理由は「人手不足」「風土として取りにくい」の声が複数
男性育休に積極的に取り組めない理由/一部抜粋
- 企業規模が小さく、代替人員がいない
- ロールモデルがいない
- 社内風土ができていない
- 前例がないため
- 上長からの評価が下がる可能性がある
約7割の総務が男性育休をもっと推進したいと回答
総務の本音として、男性育休の推進をどう思っているかたずねたところ、「もっと推進したい」が67.9%、「あまり推進したくない」が27.7%、「全く推進したくない」が4.4%だった(n=137/全体)。
推進したい理由/一部抜粋
- 育休に限らず、今までの働き方に固執することなく柔軟な働き方を推進したいと考えている
- 若手社員の傾向として家族を大切にしたいとの意向が強く、社員満足度を高めるためにも積極的に対応している
- 育休をとるのが当たり前になることで、仕事の属人化を防ぐことにつながり、効率化が進むから
- 男性が取得することにより、共に働く女性の業務範囲も広がり相乗効果があると認識
- 総務異動前に自身が育休(2週間程度)を取ろうとして当時の上司に「戻ってきたら席ないと思え」と言われ断念した後悔から、総務異動前から周囲に育休を取るよう声かけをしてきた
推進したくない理由/一部抜粋
- 小規模の会社にとっては、周囲の負担増が懸念
- 権利だけを主張して、仕事を考えずに休まれることが懸念される
- 育休は女性がとるものという固定観念がまだ強い
男性育休で総務の対応が大変なこと/一部抜粋
- 女性の育休と若干手続きに違いがあることに戸惑った
- 従業員特に管理職以上の意識改善
- 手続等が煩雑だったけれど、ほぼ全員が2~4ヵ月取得しているので慣れました
育児・介護休業法改正の対応は「社内規定の改正」が半数以上 何をすればいいかわからないとの声も
2021年6月に育児・介護休業法が改正されたことを知っているかたずねたところ、「はい」が78.8%、「いいえ」が21.1%という結果に(n=137/全体)。
具体的に理解している改正項目についてたずねたところ、「対象期間、取得可能日数」が79.6%でもっとも多く、「休業の分割取得」が65.7%、「育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務化」が50.9%と続いた。(n=108/法改正を知っている人)。
- 対象期間、取得可能日数:79.6%
- 休業の分割取得:65.7%
- 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務化:50.9%
- 個別の周知・意向確認の義務化:44.4%
- 育児休業などの取得状況を公表の義務化(大企業):41.7%
- 申し出期限:33.3%
- 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和:33.3%
- 休業中の就業:31.5%
法改正に際し、どのような対応をするかたずねたところ、「社内規定の改正」が55.5%でもっとも多く、「社内報などによる周知」が35.8%、「取得マニュアルの整備」が19.0%と続いた(n=137/全体)。
6割以上がこの法改正で男性育休の希望は「変わらない」と回答
この法改正で男性育休の希望は増えると思うかたずねたところ、「増える」が33.3%、「変わらない」が66.7%という結果となった(n=108/法改正を知っている人)。
調査概要
- 調査名称:男性育休に関する調査
- 調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
- 調査方法:ウェブアンケート
- 調査期間:2021年7月12日〜7月19日
- 有効回答数:137件