ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は、「日本におけるCRMのハイプ・サイクル:2019年」を発表。日本企業が顧客中心的なカスタマー・エクスペリエンス (CX) を提供するうえで、とくに重要と考えられるCRMなど顧客関連のアプリケーション/テクノロジーを中心に、32のキーワードが取り上げられている。
ガートナーのハイプ・サイクルは、テクノロジーやサービス、関連する方法論、プラクティス、コンセプトなどの認知度、成熟度や採用状況、および各キーワードが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるかを視覚的に示したもの。
2019年に入り、デジタル・エクスペリエンス・プラットフォーム、顧客エンゲージメント・ハブ、カスタマー・ジャーニー・アナリティクスや顧客データ・プラットフォームなど、リアルタイムかつマルチチャネルで顧客の行動を把握し、効果的なエクスペリエンスの提供を支援するテクノロジーへの関心がさらに高まってきた。これらはいずれもハイプ・サイクルの坂を急速に上り「過度な期待」のピークへと向かっている。
そのほか、サブスクリプション・ビジネスを支援するサブスクリプション管理や、営業担当者による効果的な営業活動をサポートする営業エンゲージメント・プラットフォームが登場し、ガートナーはこれらを黎明期と位置づけた。
アナリストでシニア ディレクターの川辺謙介氏は次のようにコメント。
「優れたCXを提供するためのテクノロジは確実に成長しています。ただし、単にそれらを取り入れるだけでは、CXを通じた差別化が達成できるわけではありません。CIOおよびアプリケーション・リーダーは、自社のCX戦略とその方向性を理解し、変わり続ける市場や顧客の状況に即したテクノロジの導入と改善提案を行う必要があります」