「入札」の発注金額は年間22兆円
2020年の東京オリンピックまであと少し。それぞれの競技で使用される会場が整備され、大規模な選手村も完成し、海外からの観光客誘致のためのPR合戦も地方公共団体ごとに盛り上がりを見せている。このようなオリンピック開催に向けて発生するさまざまな業務の多くは、オリンピック開催地である東京都から民間企業に発注されていることをみなさんはご存知だろうか?
また、2019年は台風や大雨などの自然災害に多数見舞われた年であった。自然災害によって道路破損や崖崩れなど多くの二次災害が発生し、これらの復興には民間の土木・工事業者が尽力をしたが、このような業務も国やそれぞれの地方公共団体などから民間業者に仕事として発注されている。
上述の仕事以外にも、たとえば役所の職員が使うパソコンは役所がパソコン販売業者から購入するし、役所がホームページを制作する場合は役所からホームページ制作会社へとその制作業務が発注される。
このように国や地方公共団体などの行政・公共機関から民間企業へと発注される業務及びその一連のことを総称して「入札」と呼ぶ。そして民間企業への発注金額は年間およそ22兆円にものぼる。
本稿の読者においては「自社売上の向上」を課題にされている方も多いかと思うが、もしまだ年間22兆円市場の入札に参加をしていなければ、参入を検討してみてはいかがだろうか。
もし入札案件を受注(落札)できれば、行政・公共機関との取引実績もできるので、社会的信頼度も増すことになる。いままで入札に見向きもしなかった企業があれば、「売上と社会的信頼向上の機会をみすみす見逃した可能性がある」と言えるのではないだろうか。
図表1:国内入札マーケット全体の金額推移(中小企業庁「官公需契約の手引_平成30年度版」)