M&Aで拡大した事業が抱えた営業課題
登壇した都留氏はパソコン販売などを行うレノボジャパンでセールスオペレーションを担当しており、SalesforceとSansanを組み合わせ営業の生産性を向上するための取り組みを行っているという。
1984年に日本IBMへ入社し法人向け営業となった都留氏は2005年にIBMがPC事業を売却したタイミングでレノボジャパンへ移籍。レノボへ入社してからは、バックオフィス業務を担当している。M&Aによる度重なる事業変革のなかで、新しい事業所を探すことから営業のコミッション計算まであらゆることに取り組んできたという。2012年にグローバルで決定したSalesforce導入、2016年の日本でのSansan導入、両方の導入支援を担当した。
「みなさんに伝えておきたいのは、私はシステムエンジニアではないし、ITが得意なわけでもないということです。Excelで使う関数はVLOOKUPで、ピボットテーブルとなるとわからない……というレベルです。また売却のタイミングで会社は変わりましたが、転職もせず同じ事業にずっと従事しています。そんな私でもSFAやSansanの導入、連携を行うことができたのです」(都留氏)
同社がなぜふたつのSales Techツールを活用するようになったのか。理由は、同社の事業拡大のかたちにあった。
レノボ社は1984年に中国で創業し、M&Aを重ねることで会社を大きくしてきた。2005年にIBMのPC事業を買収、2011年にNECと合弁会社を設立。2014年にはIBMのPCサーバー部門を買収しレノボエンタープライズ・ソリューションズを設立。2017年には富士通のPC事業の株式を取得し合弁会社を設立した。
「このように拡大してきたのですが、問題も多いです。経営層が変わると方針も変わり、人員削減も必ず起こります。また会社の再編にあたって離れていく人もいます。ITシステムや人が変わることでデータがなくなっているとまでは言いませんが、どれが新しいものでどれが古いものかわからず、数年前まではけっこうひどい状況だったのです」