ケアレスミスによる、最悪の結末
人間はAIや機械ではない。営業活動をしていれば誰だって多少のミスはしてしまうものだ。たとえば、商談時にお客様に見せるの資料を忘れてしまうといったケアレスミスをしたとする。それが1回ならばリカバーできるかもしれないが、2回、3回と同じようなミスが続けば「この人には任せられないな」と評価は下がってしまう。お客様から見切られ、チャンスを潰すことになる。
新規案件がひとつ潰れるもの痛いが、まずいのはケアレスミスによって“契約済みのお客様”から信頼を失うことだ。失った信頼を取り戻すまでには、かなりの時間と労力がかかる。ミスを補填するために利益を削ることを迫られるケースもあるだろう。営業活動のモチベーションも一気に下がり、スランプに陥ってしまうのだ。
ケアレスミスから起こる最悪の流れ
- ちょっとしたミスをする
- 信頼を失う
- クレーム発生
- 処理に時間がかかり利益も失う
- モチベーションが下がる
- スランプに陥る
はじめは些細なことだったかもしれない。それが雪だるま式に大きくなり、天国から地獄へ落ちることになる。
私のハウスメーカー・営業スタッフ時代のこと。トップ営業スタッフの先輩は、商談前に2~3分メモを見てモレがないかチェックをしていた。商談が終わってからも記憶が新しいうちにメモを見ながら、2~3分のうちに各部署への手配を済ませていた。
合計してわずか5分程度の時間だったが、こうした行動を徹底していた先輩に、ケアレスミスはほとんどなかった。お客様といつも良い関係をキープし、クレームも少なく、紹介も数多くもらっていたのだ。
一方、その当時の私は「商談前はリラックスしたほうが良い」と考え、周囲の人と雑談をしていた。リラックスの効果は多少あったものの、先輩と同じように前後でチェックを行うべきだった。チェックを怠るから、漏れが出てくる。細かいミスが積み重なれば信頼を失い、見切られてしまう。こうして何度もチャンスを逃していた。
そして、もっとも痛い目を見たのが契約済みのお客様とのやりとりだった。