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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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エンタープライズセールス事例

9期連続ARR成長を成し遂げたBox Japanに学ぶ、エンタープライズセールスの「型」とは


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 ステークホルダーが多く、プロセスが複雑なエンタープライズセールス。その領域で苦戦している企業は多い。この複雑な領域で勝ち続ける営業組織をつくるにはどうすればいいのか。今回は、9期連続のARR成長を達成しているBox Japanの佐藤範之さんへインタビューを実施。エンタープライズセールスの「型」を生み出し、その定着に自ら挑戦する佐藤さんに、Box Japanが歩んできたエンタープライズセールスの道のりや、エンタープライズセールスの領域に対する思いをうかがった。

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コンペで「負けた」ことがキャリアの分岐点

──佐藤さんのこれまでのキャリアについてお聞かせください。

実家が商売をやっていた影響もあり人と接するのが好きだったため、漠然と営業職に就くイメージを持っていました。加えて、私が学生だった当時は「Microsoft Windows 95」が発売されたタイミング。大学でもITに関する学問を学んでおり、IT企業の営業を目指す中で富士通に入社しました。富士通といえば、BtoBで大規模なシステムを提供する企業。そこで、エンタープライズセールスのキャリアをスタートしました。

それから現在に至るまでエンタープライズセールスの世界にいるのは、あるコンペで「負けた」ことがきっかけです。

総合商社向けの社内システムの営業を担当していたころ、以前からお取引きがあるお客様の商談コンペに参加しました。濃い関係性を築いている自負があったので、8社から3社まで絞り込まれた時点で「勝った」と確信していました。ところが受注したのは、日本市場に進出したての外資企業だったのです。

なぜ自分たちが負けたのか知りたくて、お客様に外資企業の提案内容をたずねたところ、非常に驚かされました。当時の日本企業では、お客様からいただいた要件に沿って提案・受注する営業スタイルが一般的。そのような時代に、その外資企業は提案先の総合商社が抱える経営課題にコミットする提案書をつくりこみ、10センチはありそうな分厚いバインダーにまとめて提案していたのです。

関係各所と調整をしながら手広く商品を提案するのではなく、特定の領域の製品に特化した営業が集中的にキーパーソンへアプローチする手法も新鮮で、自分もやってみたいと思い、外資企業に転職しました。商材がSaaSになるなどの変化はありますが、一貫して、特定の領域でキーパーソンに訴求するエンタープライズセールスに携わり続けてきました。

株式会社Box Japan 専務執行役員 ヴァイスプレジデント 佐藤範之さん

エンタープライズセールスは「プッシュ型」

──Salesforce時代には『THE MODEL』(翔泳社刊)の著者である福田康隆さんと同僚だったとうかがっています。

The Modelの概念はセールス業界に大きな影響を与えましたが、一部で“誤解”されているようにも感じています。

同書を読んだ方の中には、営業プロセスを分業するという本来の意味から転じて「マーケティング部署が生み出すリードを主体に売上を伸ばすモデル」と勘違いしている人も多いのではないでしょうか。たしかに、中小企業のセグメントにおいてはカバーする社数が多く、マーケティング部署が主導して大量のリードを獲得する戦い方が必要でしたし、有効でした。

 一方、担当する顧客が限られるエンタープライズセールスでは、アカウントベースで直接キーパーソンへアプローチし、いかに関係性を構築するかが鍵です。どちらも分業しているものの、前者はプル型、後者はプッシュ型でリードを獲得している。入り口が違うので、その後の営業プロセスにおける動き方も自然と異なってきます。

海外でプロダクトを成熟させた外資企業とは違い、プロダクトが未成熟でリソースが少ないアーリーフェーズの国内スタートアップでは、SMBとエンタープライズ両方を一度にスタートさせるのは難しい。そのため、まずはマーケ主導で得たリードをもとにSMB営業に取り組み、キャッシュを蓄積していくのは理にかなっています。しかしここで、The Modelを「マーケ主導で獲得したリードで売上を伸ばす」ことだと勘違いしたままエンタープライズセールスに挑戦してしまい、売上が伸び悩む企業が非常に多いのです。エンタープライズセールスへの挑戦は、いかにプル型からプッシュ型へ移行できるかが鍵です。

次のページ
チャーンが少ない案件に共通する「ふたつの要素」

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この記事の著者

鬼頭勇大(キトウ ユウダイ)

 フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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