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企業の競争力を高める「営業DX」とは? 日本の営業組織の未来を探る powered by SalesZine

2024年4月18日(木)14:00~15:30

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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僕らのマネジメント論

ゼロベースで自走型組織はつくれるか?前年比売上70%増の「売れる組織」に栄転させた増田さんに聞く

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 賃貸会社向けSaaSシステム「ITANDI BB+」や、ネット不動産賃貸サービス「OHEYAGO」を提供するイタンジ。2019年より営業責任者としてマネジメントに奮闘する増田直大さんは、前職であるキーエンス時代の経験をもとに同社の営業組織の改革を牽引してきた。かつての組織を「カオス」と振り返りつつも、平均年齢28歳の若い組織を、前年度比の売上70%増、導入社数は118%の「売れる組織」へと栄転させた増田さん。組織改革の進め方から、営業組織のマネージャーとして増田さんが掲げる「人づくり」の信念まで、幅広いお話をうかがった。

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「カオス」な組織で営業の型をつくりあげていくには

──増田さんの「マネジメント遍歴」を教えてください。また、自身のキャリアを振り返り、「ターニングポイント」になった出来事があれば併せてお聞かせください。

キーエンスに営業職として新卒入社したのちに、入社5年めにチームリーダー、7年めに営業所の責任者を経験し、その後は仙台営業所の所長としてプレイングマネージャーを約7年間勤めました。

キャリアのターニングポイントを挙げるとすれば、キーエンス時代に「ナガセさん」「キダさん」というふたりの上司に出会ったことです。

社内では周囲の人に恵まれ、上司とのコミュニケーションも良好だったことから、入社1年めの比較的早い段階から成果を上げることができました。しかし、2年めに突入した途端に自身の成長に停滞感を感じるようになり……。今振り返ると、要領良く生きてきた学生時代の延長線上で、最初の1年間を「勢い」だけで過ごしてしまったことが原因であったように思います。自分の業務を長い視点で俯瞰できていなかったことから成長実感が湧かず、自分が何をするべきかも見失っていました。

イタンジ株式会社 執行役員セールス責任者 増田直大さん
イタンジ株式会社 執行役員 セールス責任者 増田直大さん

このスランプから脱する機会を与えてくれたのがナガセさんとキダさんでした。キーエンスは、良くも悪くも「どのような業務でも、営業活動に直結しないことは極力回避する」雰囲気があるのですが、ふたりは常に私のことを気にかけて成長の機会を与えてくれました。どんな些細な相談事にも耳を傾けてくれたり、業務の合間を縫ってロジカルシンキングの基本をホワイトボードを用いて説明してくれたりするなど、多忙の中でも、部下である自分が成果を上げるための普遍的なスキルから物事に対する姿勢まで、営業のいろはを伝授してくれました。

たとえそのスキルがすぐに成果に直結しないものであっても、地道にコツコツと自己研鑽に励むことの重要性を教わったことで、自信を取り戻すことができましたし、何より成果をいっそう高めていくことができました。この原体験から、自分がマネジメントの立場に立つ際には、部下に対して同じように接しようと心に決めました。これが私の「マネジメント論」の原点であるように思います。

3人チームのリーダーからスタートし、7人、10人とメンバーが増え、最後に在籍した仙台営業所では80人のマネジメントを経験しました。ふたりの上司から教わったスタンスはそのままに、人数や会社の変化とともに都度自分なりに工夫をして組織づくりに励んでいます。

──キーエンスの仙台営業所で80人規模のマネジメントを経験したのち、GA technologies groupのイタンジに営業責任者として参画されました。入社後の取り組みを詳しく教えてください。

入社後は、すぐにゼロベースからの営業組織づくりに取り組みました。かつて自分がマネジメントしていたキーエンスのセールス部隊が大所帯であったのに対して、イタンジの営業メンバーは片手で収まる程度。代表の野口や当時の役員陣は営業職を兼務している状態で、ひと言で言うと「カオス」でした(笑)。当時は「営業をする」というよりも、「説明をする」組織と化していたように思います。組織としても不安定で、入社当初はどこから着手するべきかが難しく、戸惑う場面も多かったです。

もともと私には、営業組織に欠かせない目標や売上などの数値は会社のあるべき姿から逆算すべきである、という持論がありました。まずは「形」から入り、マネージャー側が明確な指針を掲げてこそ、メンバーが自律的に動き出すボトムアップのマインドが芽生えるという考えです。しかし、このマインドをイタンジに持ち込んだものの、思ったように物事は進みませんでした。

というのも、前職ではマネジメント人数こそ徐々に増加したものの、すでに組織としての大枠での「営業の型」があったからこそ通用していただけで、イタンジはこれから「型」をつくりあげていく段階でした。加えて、所属メンバーの営業に対するスタンスが1人ひとり大きく異なっており、各自が自走する組織になるためにはさまざまな側面で足並みを揃える必要がありました。

組織づくりに再度チャレンジするにあたり、私が指針として掲げたのは「率先垂範」でした。指示を出す人が率先してアクションを起こすことで、それに倣ってメンバーが動くようになる──まずは自分が現場で結果を残し、下から持ち上げていく戦法を実践していきました。一緒に動き、考え方やスキルなどを解説しながら、自らが成約を獲得する背中を見せていく方法です。これを実践したことで、入社3ヵ月ほどが経過してからは私のことをリーダーとして信頼し、私の営業スタイルを吸収してくれる「フォロワー」が現れるようになり、いっそう営業組織改革のスピードを高められたように思います。

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メンバーの「1」を知り、適切な目標設定を

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この記事の著者

伊藤真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ビジネスやIT系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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