すれ違った3年後に受注!? ソーシャルセリングの魅力
──本日は「ソーシャルセリング」についてうかがっていきます。まずは吉岡さんのキャリアについて教えてください。
ウィルゲートの共同創業者CCOの吉岡と申します。代表の小島は、小学校1年生のころからの幼馴染かつ親友で、高校を卒業した3日後にお年玉貯金でパソコンを2台購入し、ふたりで起業をしました。そこから17年の月日が経ち、現在は35歳です。小島は会社全体の戦略や財務などを担い、事業全般や新規事業の立ち上げ、営業など外交の部分は私が担う役割分担です。
17年間でいただいた名刺は1万7,000枚、最近はオンラインで1日10~15件、月に300件ほどアポイントを実施しています。Facebookの友達は1万人程度、Twitterのフォロワーは2.5万人ほど。このつながりを活かして、本日お話しする「ソーシャルセリング」を行い、年間3億円の新規受注を実現しています。ソーシャルセリングは、コロナ禍の新しい営業方法として非常に有効で、当社がお客様にコンサルティングを行うビジネスもスタートしています。また別の新規事業としてIT・ウェブ業界に特化したM&A事業を立ち上げております。
──ありがとうございます。早速ですが、つながりを活かしたソーシャルセリングに本格的に取り組み始めたきっかけをうかがえますか。
2019年1月3日の忘れられない出来事をお話しします。当社では月間ユニークユーザーが1,000万人の「暮らしニスタ」というメディアを運営しており、このメディアへのSEO流入を200万ほど増やしたSEOノウハウをまとめ、90枚の資料を使った100分のセミナー動画をつくってみたんです。「5,000円で売ります。興味ある方がいたら」とFacebookに投稿したところ、279名から「欲しいです」と連絡が来ました。このような投稿を複数回実施したところ、最終的に630名の方が購入してくださったのです。
嬉しかったのは動画を見た方の約8%にあたる50名の方が、「ウィルゲートにSEOについて相談したい」と問い合わせをくださったことです。動画を提供してから4ヵ月間の間に、この動画購入を起点にしたSEO事業の新規受注粗利は5,000万円程度となりました。動画をつくるのにかかったのは、私の拘束時間以外には編集コストの15万円のみです。
当時はコロナ禍以前でオンラインアポができなかったので、私の月々のアポイントは50件ほどで、年間では600件ほどが限界でした。動画を買ってくれた630名の方は、私がSEOについて解説する100分間の動画を見てくださったわけですから、年始に1年分の営業活動を動画に置き換えることができたとも言えます。SNSには無限の可能性があるな、とソーシャルセリングにのめり込んでいきました。
──ソーシャルセリングの魅力についてうかがえますか。
良い点はふたつありまして、ひとつめが出会いを資産にできることです。マッチ売りの少女のように「買いませんか?」とお客様を探す必要がなくなり、お客様から相談を持ち掛けてもらえるようになります。営業は専門職です。お客様を探すところだけに多大な工数を割くのも良くありませんし、いかに「プル型」営業に転換できるかが重要です。私のソーシャルセリングのキャッチコピーは、「すれ違ったら3年後に受注」。SNSでつながれば、それくらいの関係値の方とも関係を維持することができます。
ふたつめは、つながりをもとにお客様や知り合いに貢献できるという点です。お客様から困っていることを相談されたとき、自分の提案できるソリューションが限られたものだとしても、1万人いる自分の知り合いからすごい人を紹介できます。