「最近退職を検討した」営業職は約7割
2021年12月、日本労働調査組合が全国の20~49歳の営業職543名を対象に実施した「営業職の勤務意識に関するアンケート」の調査結果を発表しました。調査によると、営業職として働くうえで感じるメリットでもっとも多かったのは「達成感」。一方で、デメリットとしてもっとも多くの回答を集めたのは「ストレス」でした。なお、「最近退職を検討した」という回答は69.6%と過半数を超えていました。
営業職として働くデメリットを尋ねる設問では、1位が「ストレス」で29.7%、次いで「疲れる」が28%、「クレーム対応」が27.4%と続きました。同社が同年6月に結果を発表された同様の調査では「ストレス」が6位、「疲れる」は8位、「クレーム対応」は2位であったことから、かつて1位であった「ノルマ」が最新調査ではランクを落とした分、「ストレス」「疲労」が以前以上に票を集めた様子が明らかになりました。
メンタルヘルス課題と対応 営業マネージャー2名の事例
企業や営業組織を束ねる管理職が考えるべき「メンタルヘルス課題」とは、自身のストレスケアはもちろんのこと、メンバーのストレス因子をどのように解消していくかです。そこで、本稿を執筆するにあたり、取引先などの営業マネージャーにインタビューを行い、自身のストレスに対する向き合い方、そしてメンバーに対する向き合い方をうかがいました。
1. ストレスは「まず、受け入れる」ことを意識している(40代女性 管理職)
自身のケアに関して
「前提として、ストレスを完全に消し去ることは難しいというのが私の持論です。そのため、ストレスがかかっている状態を認識し、そのうえで受け入れることを大切にしています。どのような負荷がかかっているのかを認識しないまま漠然とストレス解消を試みたところで、正しい解決策にたどり着くことは難しいでしょう。ストレス要因を認識しないままアクションを起こしたことでかえってストレスを増大してしまった経験があるため、『まず、受け入れる』ことを心掛けています。
また、フィジカルの不調はメンタル不調にも直結します。そのため、オンオフの切り替えを意識して起床後に白湯を飲んだり、定期的なファスティングをしたりするなど、『身体に良いこと』を行い、リラックスする時間を意識的に設けています」