「営業が大好き」な村上さんがマーケティングに興味を持ったワケ
――村上さまの現職に至るまでのキャリアについて教えてください。
私はもともとシステムの開発・販売会社で、法人営業としてキャリアをスタートしています。その後小規模の組織人事コンサル会社に転職したのですが、営業が10名もいない会社でして、セミナー企画から販促チラシの作成まで大きな組織ではマーケティングが担うような業務も営業兼コンサルタントとしてひととおり担当しました。
その経験からマーケティングに興味を持ち、次に転職した大手の人材紹介会社では、法人向けのマーケティング職として活動し、2016年にリクルートへBtoBマーケティングを担当として入社しています。営業の仕事は大好きなのですが、大学では商学部でマーケティングを専攻していたこともあり、キャリアをピボットしていくこと自体に抵抗はありませんでした。
マーケティングの領域は非常に広く学ぶのもかんたんではありませんが、営業・マーケティング組織の業務が効率化され、多くの顧客に適切に価値を届けることができたら会社としても嬉しいですよね。顧客と会社のために営業活動の効率化を突き詰めて考えると、マーケティングに取り組むことは避けられないと思っています。
――インサイドセールスやMAの導入に取り組まれたとのことですが、営業・マーケティング組織で抱えていた課題を、事業の特徴と合わせて教えてください。
当社の事業にはふたつの特徴があると思っています。ひとつは、対企業様にはリクルーティングアドバイザー、転職をしたい候補者様にはキャリアアドバイザーという専任の担当が採用決定まで伴走するビジネスモデルになっているということ。そのため、営業人材リソースの影響を受けやすいビジネスです。もうひとつは、当社のお客様のほとんどを中小企業様が占めていることです。大手企業様の場合はきちんと計画を立てて採用をしていくことが多いのですが、中小企業様の場合は急な欠員補充など、突発的にニーズが発生しやすいです。
さらに、人材市場は2014年ごろから右肩上がりで求人は増加していく一方でした。つまり少ない営業人員でタイミングよくお客様に対応する必要があり、それをいわゆる外勤営業(フィールドセールス)だけですべて対応していくのには限界がありました。そこで、まずはコールセンターに数席を確保し、顧客と定期的につながるインサイドセールス組織を立ち上げたのです。しかしそれでも、3ヵ月に1回のペースで定期的に接点を持つことができるお客様は約2割という状況でした。
より「お客様のタイミングを掴む」必要があると考え、2016年にMAを導入しました。当時はまだ多くの人数を割ける状態になく、私がマーケティングやインサイドセールスチームを兼任していましたが、現在はインサイドセールスだけでも3つの組織があり、数十名が従事しています。