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オンライン商談で「成果が上がっていない」は9割以上 真の営業力を高めるのは顧客軸の組織デザイン

2021/03/29 07:00

 オフラインとオンラインを掛け合わせたハイブリッドな働き方が浸透しつつあるいま、あらためて整理したいのが「顧客接点」と「営業組織のかたち」。コンサルタント・営業マネージャー、それぞれの立場から顧客中心型の組織への再編プロジェクトを経験したEYストラテジー・アンド・コンサルティングの千葉友範氏が、実際に行われた組織改革の事例を軸に「Customer Centric」な組織デザインを紐解いていく。本稿では前半の様子をお届けする。

オンライン商談で「成果が上がった」は10%未満

「真の営業力を高める組織デザインとSales Tech活用」と題して講演を行います、EYストラテジー・アンド・コンサルティングの千葉と申します、本日はよろしくお願いします。

 はじめに、「営業の課題はコロナ禍で変わったのか」をテーマにお話しします。コロナ禍がマーケットに多大なる変化を及ぼしているのはご存じのとおりですが、帝国データバンクの調査によると、約82%の企業が現状・もしくは将来の経営状況の「悪化を認識している」と回答しています。また、セールスウィガーの調査では、「営業」の回答者の約半数から「既存・新規問わず、顧客との関係構築に非常に苦慮している」との回答が集まりました。

 8割以上が経営悪化を実感しているという点については、いくつかの職種の中でも「営業」へのインパクトの大きさが示された統計データも出ています。営業職に絞ると、92.3%が「非常に影響がある」と回答していたとのことです。とくに、国内営業については91.1%が何かしらの「影響があった」と回答していました。そのほかの項目については、「仕入れ・調達へのインパクト」が57.4%、「人材の採用へのインパクト」が55.9%と続きますが、営業に対するインパクトの大きさが何よりも見て取れる結果になっていました。

 

 新型コロナウイルスが蔓延し、緊急事態宣言の発出前後の早いタイミングで、生保業界やMRはインパクトを受けていましたよね。生保業界は、非常に早い段階で営業自粛を行い、数万人が休業に追い込まれる事態にあったと報道されていました。また、製薬業界はMRの訪問規制が早い段階から行われ、そもそも「ドクターのところへ訪問することができない」状態が続きました。

 しかし、生保業界はリモート営業・契約に着手し、製薬業界でもMRはメールやウェブで営業活動を代替したことで約7割の医師が「困っていない」「不便さを感じていない」と回答したという調査結果もありました。このように、対面営業が当たり前であった職種も非対面営業へとシフトしており、コロナ禍は「営業のあり方を抜本的に見直す大きな機会になった」という捉え方もできるのではないかと思っています。

 実際に、非対面営業(オンライン商談)の導入率は業界ごとに多少の差はあれど、全体の43%が「オンライン商談を導入している」と回答しています。広告・出版・マスコミ業界が88%ともっとも多く、次いでIT・情報処理・インターネット業界が83%、コンサルは63%と続きました。実際、我々が抱えるプロジェクトの大半ではオンライン商談が行われ、リモート下で顧客とコミュニケーションを取っています。

 

 では、実際にオンライン型の商談を実践して、「訪問時と比較して成果が上がったか」を尋ねると、「成果が上がっている」と回答した会社は10%未満でした。コロナ禍の影響で顧客への訪問が難しくなり、矢継ぎ早にオンライン商談にシフトしたものの、「うまくいっている」とは言いきれていない現状が示されています。

 

 営業活動がオンライン型にシフトしたことで、必然的に商談・顧客との関係づくりもオンライン型に移行されてきていますが、なかなかうまくいっていない。顧客との対話をしていく場所、方法――いわゆる「顧客接点」のあり方をいかにしてうまく構築し、変化させていくかを考えていきたいと思います。

 コロナ禍の影響で、顧客自身もまた、生活形態や仕事のやり方の変化を余儀なくされています。行動様式が変化し始めている顧客に対して、従来の対面商談をそのままデジタルに移行させるだけではうまくいきません。行動様式が変わったお客様に対しては、いかにして「行動様式を変えたかたち」での顧客接点をつくっていくかが非常に重要です。これにともない、マネジメントのあり方も変えていく必要があります。

 このように、組織変革に着手していくうえで意識するべきポイントを3点ご紹介させてください。

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