バーチャレクス・コンサルティングは、「RevOps(※)」の認知度や取り組み状況に関連する内容を聴取し分析した実態調査を発表した。同社は今回の第1弾「認知&取り組み状況 編」に続き、追って第2弾「成果 編」、第3弾「運用 編」の結果を公開していく予定。
※RevOps(レブオプス)の「Rev」はレベニュー(収益)、「Ops」はオペレーションのこと。RevOpsとは、「企業が稼ぐ力」を最大化するための仕組みをつくり、それを運用することを意味する。コロナの影響で企業の収益が下がったことにより、米国を中心に急速に広まっている概念である。RevOpsは、The Model(営業プロセスを細分化し、部門ごとに分業化する営業モデル)の発展形と考えられる。マーケティング、セールス、カスタマーサクセスのそれぞれの活動を、データや組織、オペレーションをつなぐことによって再統合し、稼ぐ力を最大化していくことをRevOpsは目指す。
調査実施概要
「2023年 国内におけるRevOps実態調査」
- 調査方法:インターネットアンケート
- 調査実施期間:2023年3月24日~2023年3月26日
- 対象地域:全国
- 対象者:調査会社のモニター事前登録情報において、20歳以上、職業=「経営者・役員」「会社勤務(正社員・管理職)」「会社勤務(正社員・一般社員)」、従業員規模=「500人以上」が対象、対象数=9,798サンプル
1.「RevOps」認知度について
全体の認知度は1割程度に留まっており、国内における認知度はまだ低い。
全体の認知度が1割程度であった一方、「役職」別認知度では、本部長・事業部長、会長・社長・経営者・CEO、取締役・役員が上位を占めている。加えて、「所属部署」別認知度では、人事、経営企画、情報システムが上位を占めており、部門横断で日々業務に従事している人々には、国内でも一定程度浸透している状況と見受けられる。
2.「マーケティング、営業、カスタマーサクセス」における部門横断の取り組み状況について
今回の調査では、対象者を属性1~3に分け、セグメント別の違いを深掘りした。属性1~3の定義は次のとおり。
「マーケティング、営業、カスタマーサクセス」における部門横断の取り組みについて、
- 属性1:すでに社内に取り組んでいる部署、または担当者がいる
- 属性2:今は取り組んでいる部署、または担当者はいないが、計画している、もしくは必要性を感じている
- 属性3:取り組んでいる部署、または担当者はおらず、今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない
部門横断の取り組みを行っている国内企業(=属性1)は、全体として17.5%の割合であった。また、売上規模別(100億円以上)においては、部門横断の取り組みを行っている企業割合が、規模が大きくなるほど高くなる傾向にあり、従業員規模10,000人以上、売上規模1,000億円以上の企業では2割を超えた。
企業の資本構成別においては、「国内資本のみ」よりも「外国資本あり」の方が部門横断的な取り組みを行っている企業割合が高い傾向が見られた。
なお、部門横断の取り組みを行っている企業のうち、その担当部署としてもっとも割合が高いのは「経営企画関連部署」であった。次いで「マーケティング関連部署」「営業関連部署」「情報システム関連部署」が続いた。また、「本目的を担う専門の部署が担っている」割合は1割強程度となった。
このことから、先行しての取り組みが進んでいる米国のように、CRO(Chief Revenue Officer:最高レベニュー責任者)設置を含むRevOps専門部署が取り組みを行っている割合よりも、経営企画やマーケティング部などが兼務で行っている割合が国内においては高いという現状が見受けられる。