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買い手の好む営業スタイル、リモート型が訪問型を逆転 売り手との意識ギャップを観測/HubSpot調査

2021/02/08 16:40

 2020年2月8日、HubSpot Japan(以下、HubSpot)は、第2回目となるHubSpot年次調査「日本の営業に関する意識・実態調査 2021」の調査結果発表会をオンラインで実施した。

左から、HubSpot Japanシニアマーケティングディレクター兼共同事業責任者 伊佐裕也氏
同社セールスディレクター兼共同事業責任者 伊田聡輔氏

 調査結果を踏まえて、同社のシニアマーケティングディレクター 兼 共同事業責任者を務める伊佐裕也氏は「非効率な営業情報の管理・報告業務」「『好ましい営業スタイル』に対する売り手と買い手間の意識ギャップ」「テレワークによる社内コミュニケーション不足」という3つの課題が浮き彫りになったことを指摘。こうした課題に対して、CRMツールの有用性や買い手の購買姿勢のチューニングの必要性などが語られた。

「日本の営業に関する意識・実態調査」実施概要

  • 調査企画・実施:HubSpot Japan
  • 調査委託先:マクロミル
  • 調査対象:ビジネスシーンにおける「売り手」・経営者・役員の515名/法人営業担当者515名/ビジネスシーンで商品やサービスの「買い手」となる経営者・役員・会社員309名
  • 調査方法:オンライン上でのアンケート調査
  • 実施期間:2020年12月3日〜2020年12月6日
  • 調査地域:日本全国

調査結果のポイント

  • 日本の法人営業担当者は働く時間の20.2%が「ムダ」であると回答。これは年間で約6,650億円に相当
  • リモート営業時代においては「コミュニケーション」が課題。「自分の業種でも意外にリモート営業が可能だった(63.3%)」という声が聞かれる一方、「孤独感を感じる」声も
  • 買い手が考える「好ましい営業スタイル」は、この1年でリモート営業が訪問型営業を逆転して上回る形にシフト。訪問型営業を好む売り手側とのギャップが生じる

調査結果

1. 「働く時間の20.2%はムダ」と営業担当者が回答。年間約6,650億円の経済損失

 営業担当者に「働く時間のうちムダだと感じる時間の割合」を質問したところ、回答者全体の平均で「働く時間のうち20.2%」という結果に。この「ムダな時間」を金額換算すると年間約6,650億円となった。

 
算出方法
  • 【時給】「令和元年分民間給与実態統計調査」(国税庁)の「1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与(年収)」の436万円を利用
  • 【営業職就労人口】平成27年国勢調査(総務省統計局)小分類「34a 機械器具・通信・システム営業職業従事者」を「法人営業職」と定義し、「営業職全員」の人口としては中分類「営業職業従事者」を利用
  • 【1日の労働時間】法定労働時間の8時間に、今回の調査で明らかになった営業担当者の1日あたり平均残業時間1.76時間を加えて算出

 営業に関する業務の中で「ムダ」と感じるものを選択式(複数回答)で尋ねたところ、1位が「社内会議(50.3%)」、2位が「社内報告業務(39.3%)」と、社内の情報共有に関するものが上位に。自由記述欄では「会議のための会議」や「似たような書類の複数入力」などの声も挙がった。なお、顧客の属性や自社とのやり取りなどを記録する「顧客管理」の方法は3社に1社(35.5%)が「明確ではない・わからない」と回答した。

 

 また、「長時間労働を営業組織の課題として考えている」という設問では、「課題として考えている」経営者は8.3%、営業担当者は19.2%となった。伊佐氏は、労働時間の課題における経営者と現場間の役職ギャップを指摘した。

2. テレワーク導入企業の77%が「直近1年間で導入」と回答

 法人営業組織におけるテレワーク導入率は54.4%と半数を超えた。テレワークを導入している営業組織のうち77%は直近1年以内に導入していることから、コロナ禍の影響による営業組織におけるテレワークの急速な普及がうかがえる結果に。

 「電話・E メール・DM・ビデオ会議」などを用いたリモート営業に関しては、導入率36.4%とテレワーク導入率より低くなり、同社は「出社日にまとめて商談を行う」など働く場所に応じた業務内容の選択がなされている状況を推測した。リモート営業については、「直近1年以内に導入した」という回答が45%と約半数近くを占めた。

 

3. 「思いがけずリモート営業が可能だった」が6割超えの一方、「孤独感を感じる」声も

 売り手側の回答者を対象に、リモート営業導入前後での気持ちの変化を尋ねると、「以前は当たり前であった訪問型営業が、当たり前ではなくなった」が74.2%ともっとも多く、次いで「今まで自分の業種はインサイドセールス(リモート営業)ができないと思っていたが、意外に可能だった」が63.3%と続き、上位には肯定的な声が観測された。

 

 一方、「商談の録音と分析により、今までブラックボックスだった商談の課題が明確になった」については53.9%、「オンラインでのやり取りが増え、チームメンバーや他部署との連携が高まったか」という問いに対しては56.8%が否定的であるなど、テレワークの不満点として挙げられた「社内コミュニケーションに手間や時間がかかる(45.0%)」「業務管理ができない/しにくい(38.9%)」、「孤独感を感じる(17.6%)」に関連する課題意識もうかがえる結果に。自由解答欄では「気軽にわからないことを確認や相談ができない」「コミュニケーションが不足がちになる」「そもそもインフラが整備されていない」という声も。

 

4. 買い手が考える「好ましい営業スタイル」 リモート型が訪問型を逆転

 買い手と売り手それぞれに「訪問型営業とリモート営業のどちらが好ましいか」、2019年12月時点と2020年12月時点の気持ちをそれぞれ尋ねる設問を設けた。

 買い手側は2020年12月時点で「リモート営業が好ましい」と考える人は38.5%と、「訪問型営業が好ましい」と考える人(35%)を上回る結果に。2019年12月時点では、それぞれ21%、53.7%という数字であったため、1年間で買い手側の意識が逆転し、リモート営業に好感を持つ人が多くなったことが推察できる。一方で、売り手側は、2020年12月時点でも訪問型の営業を好む人が多数派だった。。好ましい営業スタイルについて買い手との意識ギャップが広がったことがうかがえる結果に。

 

 さらに、「訪問型営業が好ましい」と応えた売り手を対象に、その理由を選択式で尋ねたところ(複数回答可)、1位は「訪問型営業の方が成約率が高いと思うから」で45%を占めた。なお、リモート営業導入企業の営業担当者の商談成約率は42.2%、非導入企業の成約率は39.1%と、営業スタイルによって観測された成約率の差は3.1ポイントであった。

 理由の2位は「訪問しないと誠意が見せられないと思うから」で36.1%。なお、買い手に「どのような営業担当者が買い手にとって誠意のある営業担当者であると思うか」を選択式で尋ねた(複数回答可)ところ、1位が47.9%を占めた「できないことを明確に伝えてくれる」で、23.9%の「足を運び、対面で話してくれる」を上回った。

 

5. 「リモート営業を提案されてもマイナスの印象は抱かない」が約4割

 買い手を対象に「営業担当者から自社への訪問の代わりにリモートでの打ち合わせを提案されたときに感じるであろうマイナスの印象」を尋ねたところ、買い手の約4割(38.8%)が「とくにマイナスの印象は抱かない」と回答した。また、「マイナスの印象を抱く」グループに具体的なマイナス点を選択式で尋ねた(複数回答可)ところ、1位は「ビデオ会議や電話での商談は不安である」で27.2%、次いで「ビデオ会議などの事前セットアップが面倒である」が23.6%と続き、ツールに対する不安感・手間に関する事柄が上位に。

HubSpot Japan 共同事業責任者 伊佐裕也氏のコメント

 

「今回の調査から、日本の営業組織は2020年の1年間で働き方や営業手法の急速な変更を試みてきたものの、社内での情報共有に対する高い『ムダ』意識やテレワーク環境における社内コミュニケーションに不満を持つ声が目立っていることが読み取れます。これは営業組織が顧客と対面する前段階として、情報管理やレポーティング等の社内インフラ整備や、一体感のある組織づくりを推進する必要性を示唆しています。また『好ましい営業スタイル』について買い手と売り手の意識ギャップが広がっていることに対しては、売り手がいっそう『買い手の現状に合わせた売り方』の探究に努め、テクノロジーの活用などを通じて顧客体験を日々細やかに調節していくことが重要だと考えます。感染症対策と経済活動持続の両立が求められる今、『この営業のやりかたが正しい』という絶対的な手法はありません。日本の営業組織が顧客の『今』を的確に掴み、相手と自社双方にとって有益な関係性を構築していけるよう、HubSpotは今後もCRMプラットフォームのさらなる開発とともに、買い手に優れた購買体験を提供するための営業のあり方を議論する機会の提供や情報発信に注力してまいります」



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