「ユニークな情報」が増えるほど導入可能性も高まる?
買い手企業が自社のプロジェクトを進めるために、一般的なプロジェクトの情報の収集、設計、合意の段階を次の図に表しました。
情報収集段階は未知の量が多く、目標を実現するための見通しが立っていません。課題設定もあいまいです。情報設計段階では集めた情報を取捨選択し、組み立て、設計図つまり計画をつくり上げていきます。課題の絞り込みや取り組む範囲・規模の調整も行われ始め、徐々に見通しが立ち始めます。そして、最終的に社内のステークホルダーと立てた計画に合意をします。この段階では未知の量が少なくなり、ある程度「この計画でいけそうだ」という手応えを得ています。課題は小さな課題に分割され、その課題を解決するための手段がひもづいています。その手段のひとつとして、売り手企業の製品も導入されています。
このように情報が単なる素材から、目標に合わせて加工、設計されていく過程で、DSRに掲載される情報の量と種類も変わっていきます。
情報収集段階ではどの会社にも適用できる定型的な製品資料やデモ動画などが掲載されます。買い手企業の業界に合わせて事例資料を掲載することもあるでしょう。買い手企業の見通しが徐々に明らかになるのに伴い、検討が進めば、見積書を依頼されたり、ROI試算表を営業側から提案するようになります。情報の量が増えるだけでなく、その内容の種類も増していきます。
計画合意段階まで進めば買い手企業からセキュリティチェック資料やQA管理表の記入を依頼されます。NDAを交わして買い手企業がつくったプロジェクトの計画書や関連資料を提供いただき、「このような業務フローで御社製品を組み込めますか?」といった、かなり踏み込んだ相談も交わされるようになります。
別の言い方をすれば、ユニークな情報が増えるほど、製品導入の可能性が高まるということができます。ではDSRにユニークな情報を増やすにはどうすれば良いでしょうか。この鍵を握るのが情報の設計です。