営業マネジメントは「やりたくない仕事」?
宮田(SalesZine編集部) まずはおふたりの自己紹介からお願いします。
古瀬(セールスギルド) 古瀬と申します。一緒に登壇する梅田さんとは同い年で今年37歳になります。営業が大好きで、2社で営業を経験しフリーランスを経てから、セールスギルドという営業支援会社を立ち上げました。
1社めでは3年めにプレイングマネージャーを経験し、今の会社では社員4名と業務委託メンバー30名ほどのマネジメントを行ってます。起業してやっとマネジメントが少しずつわかってきた状況ですが、自身の経験を踏まえいろいろとお伝えできればと思います。
梅田(セレブリックス) セレブリックスという会社で新規事業開発室のゼネラルマネージャーと、「SQiL Career Agent」という営業職の転職やキャリア支援を行う事業の責任者を務めています。現職で管理職やマネージャーを経験するのは3社めです。若手営業の方から営業マネージャーまで、さまざまな方とキャリアについてお話する機会もあるので客観的な情報と自身の経験を踏まえ、皆さんに情報提供をできればと思います。
宮田 今回のテーマは「営業マネージャーをやろうぜ!」としていますが、おふたりの感触としてマネージャーになりたいと思っている方は多いですか。
梅田 「心からなりたい」と思っている人は少なそうですね(笑)。「どのようなキャリアを目標としますか」と尋ねると「マネージャー」と答える営業は多いですが、理由は「年収を上げるとなるとマネージャーしか選択肢を思いつかない」から。今日はマネージャーという仕事にチャレンジしたい方が増えると良いなと思っています。
古瀬 1社めには7年ほど営業として勤めましたが、マネージャーになりたい人が半分、なりたくない人が半分でした。やりたくない人たちの理由は、目の前にいるプレイングマネージャーがたいへんそうだったからですね。目指す必要があるかと言えば、ぶっちゃけどちらでも良いのですが、目指すからには自分なりの理由は明確に持つべきというのが私の考えです。
宮田 今日のセッションの中で、目指す理由をそれぞれ見つけてもらえると良いなと思います。ここで早速おふたりの経験にも迫っていきたいのですが、まずはマネジメントを経験して良かったと思う点をうかがえますか。
梅田 レイヤーがひとつ上がり、見える景色の範囲が広がることです。役職が上がって見え方が変わったことはたくさんあります。たとえば、マネージャーまでしか下されない経営からの情報は意外と多いです。メンバーの見え方も、同僚だったときから変わってきます。マネージャーの立場から見ると「思っていたより雑にやってるな(笑)」ということから、「こんな技で営業をしていたのか」と学ぶこともあります。得られる知見が変わり、それが自分の成長につながるため、マネージャーになったほうが営業としてより売れるのではないかとさえ思いますね。
古瀬 私はシンプルにメンバーが成果を出したり、成長したりするシーンに立ち会えるのが嬉しいですね。加えて、自分ひとりでは成しえなかった大きなことができるようになり、自分もまた別のチャレンジに進めるというのもマネジメントの面白さだと思います。