ツールを使って営業活動や成果を数値化し、客観的に評価する
2019年1月に『営業力を強化する世界最新のプラットフォーム セールス・イネーブルメント』(バイロン・マシューズ、タマラ・シェンク/著 富士ゼロックス総合教育研究所/監訳)という書籍が出版されたこともあり、「セールス・イネーブルメント」という言葉が注目されるようになった。
同書ではセールス・イネーブルメントは「組織変革のための規範に基づく取り組み」と表現しているが、具体的にどんなことを行うのだろうか。これまで営業は個人の努力や”がんばり”で支えられてきた傾向が強い分野だった。「セールス・イネーブルメント」はこの営業という分野にデータを持ち込み、営業活動を科学的に評価し、以下のような改善のための施策を総合的に実施する取り組みといえる。
- 営業研修
- 営業担当者にあわせたコーチングの実施
- 営業チームおよび担当者の営業活動の評価
- 営業組織の全体最適化
- 営業担当者の採用と離職防止
1つひとつは実施している企業も多いと思うが、これらの活動を包括的に実施できているだろうか。また、その施策をデータに基づいて行うことができているだろうか。
「セールス・イネーブルメント」が注目される背景には、本連載の第1回
- マーケティング部門から引き渡されるリードの数
- リード数に対する商談化率
- 商談のパイプラインの進捗率
- 商談数に対する成約率
- 契約金額
- 商談のリードタイム
- アップセル、クロスセル
- 契約後の継続年数
これらの数値を分析することで営業の実態が見えてくる。なお、これらの数値化をツールなしで行うのは不可能ではないが、集計の手間を考えると現実的ではない。