チェンジマネジメントにWork Logを活用する
顧客中心型組織への移行を成功裡に進めていくことは、従業員の行動様式が変革されるということと同義である。従業員の行動変容は、さまざまな改革施策によって促されるが、その進捗をデータによって可視化することは非常に重要な取組である。
しかし、現実的に対象者(従業員)の行動変容の予兆(先行指標)を可視化するデータ、つまり「Work Log」をいかに定量的かつ負荷なく取得し続けるのかということが大きな課題となる。
従来、大規模な組織の変更を行う際に実施される説明会では、改革の目的や意義などをポジティブにメッセージするために、漏れなく伝達されているのかを把握する出欠リストをつくり、記名させ、事務局が参加率を取りまとめるなど人手の対応も多かっただろう。さらにその結果を分析に使うなどということは、必ずしも十分にできていなかったはずである。しかし、Work Logをうまく活用できれば先行指標と結果指標のような因果関係のループを正しく設計し、標準化していくことで、素早いアクションを行うことが可能となる。
「Work Log(ワークログ)」についてもっと知りたい方はこちらの連載から「いまこそ知りたい営業のDX」
Work Logは通常、PCのログや社内ポータルサイトのログ、またはツールの活用状況ログなどから取得するが、この種のデータは従業員が入力するSFA/CRMからも取得することができる。 一方で、次の図に記載するようにSFA/CRMのデータとWork Logには以下のような特徴があることを理解したうえで、利用していくことがポイントとなる。
どちらが良くてどちらが悪いというものではなく、目的と手段を明確にしたうえで、マネジメントに活用していくことがもっとも重要である。Work Logの活用においてはコミュニケーションのデザインをうまく活用することが求められるのだ。