変革の抵抗勢力を攻略する チェンジマネジメントの要諦とは?
DXにかかわらず、何かしらの新たな取り組み・変革には、必ず「抵抗勢力」というアンチが存在する。すべての従業員を同じ方向へ向けて変革を実現できれば、とても素晴らしいことではあるが、実際にはそれは非常に難しい。しかし、そうした取り組みから離脱しては困るキーマンたちがいることも事実であり、このキーマンをいかに見つけ、彼らをアンチにしないか、それが最大の問題である。
第2回で解説した事例A社でも当然ながら、アンチは一定数存在していた。そのような状況下でどのようにして、この変革を成し遂げていったのであろうか。この取り組みでもっとも大事にしたのは、「コミュニケーション」と「オンボーディング」である。
コミュニケーションは文字どおり、「誰」に「どのような」メッセージを送り、行動変容を促していくのか? という取り組みであり、オンボーディングは、メッセージが正しく届き、行動は正しく変容しているのか? を可視化するための仕組みである。
冒頭で触れたように、このような施策や変革については、必ず抵抗勢力がいることは世の常であるが、次のような5つのタイプ(以下、ペルソナ)がいることにお気づきだろうか(図1)。
5つのペルソナすべてに対して同じようにメッセージを届け、行動変容を促していくことはとても難しい。むしろ、不可能だといっても過言ではない。一方で、「Commit」や「Supportive」という人たちとだけコミュニケーションをしていては、お手盛り感が出てしまい、しらけたムードが広がってしまう。残念ながら、取り組みは失敗に終わるだろう。では、誰にどのようなメッセージを届けるべきなのだろうか。