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SFAのすべての機能を使いこなす必要はない セールスフォースに聞く営業組織の変化

2019/01/16 00:00

 1999年に米国で創業して以来、世界中のセールス・マーケティング組織にSaaSを提供してきたセールスフォース・ドットコム。主に営業支援ツールのマーケティングを担当している田崎純一郎さんと秋津望歩さんに、自社の営業組織と日本企業の変化について伺った。

モノウリ営業との違いに苦労

――おふたりは現在MAツールのPardotやSales Cloudという営業支援ツールのマーケティングをご担当されているとのことですが、元営業でもあると伺っています。現職に就かれるまでのキャリアや営業職として苦労されたことについて教えていただけますか。

田崎 セールスフォースに入社してこの1月でちょうど15年です。入社したときは営業でしたが、半年で営業をクビになりました(笑)。SFA(営業支援システム)を売る営業は、ソリューション営業のプロです。いまとなってはわかるのですが、私は営業としてのスキルが非常に未熟でした。前職でよくやっていた「CPUが早いですよ」というような"モノウリ・スペック提示スタイル"や、「言われればなんでも作れますよ」というクチをあけて待っているだけの受け身のSIerの仕事の取り方と、当社のように「購入したお客様がどう変わるか」というところまでを提示して、納得してもらうソリューション提案型営業のやり方はまったく違ったのです。前職の企業ブランドや、先輩営業の信頼のおかげで契約を取れていただけの私は、それにすぐに対応できませんでした。

株式会社セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティングディレクター 田崎純一郎さん

売れていると勘違いしていたそれまでの自分はただの見積もり作業要員だったなと非常に反省しました。当時は客観視できなかったのですが、現職でSFAのマーケティングにたずさわる中で、さまざまなお客様の営業の型などを学んで、当時の自分にはどういうスキルがあってどんなポジションだったのかと自身を分析するようになり、なぜ苦労したのかということがわかってきましたね。ソリューション営業への転換でお客様が苦労するポイントも、今はすごくわかります。

秋津 前職はSIerで、お客様との関係構築でモノが売れていくという日系企業に多いスタイルの外勤営業をしていました。営業という仕事自体は好きだったのですが、商流の中間にいたこともあり、利益を削りながら行う提案、他社との差別化の難しさ、提供できうる価値に限界を感じたんですね。そこでメーカーかお客様側に転職したいと思い、4年前にセールスフォースに入社し、インサイドセールスとして1日に40件のコールなどKPIをこなし、多くのお客様との接点を構築するところから始めました。もともとITの仕事をしていたこともあって、目標を達成し続けることができ、現在は田崎と同じくプロダクトのマーケティングを担当しています。

株式会社セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティングマネージャー 秋津望歩さん

私もモノウリの営業だったので、「機能を流暢に説明できること=売れる営業」だと思っていましたが、セールスフォースに入って、それが勘違いだったことに気づきました。製品を理解してもらうことはYouTubeに代用されてしまいます。お客様の課題を解決するためにツールを販売するということが最初は難しかったですね。田崎もそうだと思いますが、モノウリ営業はお客様の課題を聞く前に「こういう価値を提供できます!」と言いたくなるんですよ。

次世代のエースを育てるインサイドセールス

――元営業のおふたりが、営業職の難しさや、楽しさを知ったうえで営業支援ツールのマーケティングをされているというのは素敵ですね。御社ではまずはインサイドセールスから営業を経験するのでしょうか。

秋津 同業他社からくる経験者は初めからフィールドセールスで入社するケースもありますが、異業種の営業経験者や20代、そして新卒メンバーの一部はインサイドセールスから入るのが基本的なキャリアパスです。

まずは自社製品を自分自身が使って価値を理解します。1日40件以上アプローチをかけるので、月に1,000回お客様にアプローチすることになります。うまくいかないケースも時にはありますが、修正していく機会もたくさんあるので、1~2か月で目に見えて成長しますね。早ければ1年くらいでフィールドセールスになります。外勤営業からスタートすると、トライの回数は多くないので、失敗できない。さまざまなキャリアパスがありますが、当社のインサイドセールスは、次世代のエースを育てる登竜門的な位置づけです

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