バーチャレクスグループのバーチャレクス・コンサルティング(以下、バーチャレクス)は、カスタマーサクセスに関する実態調査を実施。第三弾となる今回の調査では、全国の20歳から65歳の有職者5万3,110人のなかで、カスタマーサクセスを「自社で取り組んでいる」と答えた人は834名、および「取り組んでいない」と答えた人は239名となった。
カスタマーサクセスの取り組みは企業の数字にも直結:取り組み企業VS取り組んでいない企業
カスタマーサクセスに取り組んでいる、取り組んでいないそれぞれの層に対し、直近1年の新規顧客数および新規売上の推移についてたずねた。カスタマーサクセスに取り組んでいる層はいずれも「増加した/上がった」と回答した人が6割を上回った。反対に取り組んでいない層の約半数は、新規顧客数も新規売上数も「変わらない」という結果になった。
継続売上についても、カスタマーサクセスに取り組む層のうち57.2%が「増加した/上がった」と回答した。
カスタマーサクセス取り組みを始めてから半数以上の企業が業況向上:取り組み企業
次に、カスタマーサクセスの取り組みを自社内で行っている層に対して「カスタマーサクセスに取り組む前と後」での売上高および利益率の変化をたずねたところ、売上高については57.4%、利益率については52.9%の人が「向上した」と回答しており、カスタマーサクセスの取り組み効果が事業の業況に表れていることが示される結果となった。
また、同じ層に対して「カスタマーサクセスに取り組むことによって実現されることについて価値があると感じるもの」が何かたずねたところ、もっとも多かったのは「売上拡大」で69.8%、次いで「利益拡大」が66.9%という結果となっており、カスタマーサクセスの取り組みによる成果が期待値と見合う結果を出せている企業が多いことがわかった。
取り組み効果を得るためには「基本原則」が必須:業況向上企業
次に、カスタマーサクセスの取り組みを自社内で行っている人の中で「取引期間一年以上の顧客について業況の向上が見られた」と回答した655人を対象に、カスタマーサクセスの効果が得られた要因は何かたずねた。その結果、「カスタマーサクセスの概念が、メンバーや社内に浸透したこと」(37.7%)がもっとも多くなった。次いで多かったのは「ソフトウェアを導入し、有効活用できたこと」が31.6%で、属人的な仕組みではなくテクノロジーをうまく活用することが、取り組みを成功に導く鍵であるということを示している。
カスタマーサクセスに取り組む人の課題のひとつが「どのツールを選べばよいのかわからない」ということである。自身がカスタマーサクセス取り組みを行っている中で効果を感じている人の9割は何かしらのツールを活用しているのに対して、「効果を感じていない/どちらとも言えない」と答えた人のうち45.2%は「特に利用していない」と回答した。効果を体感している人の半数以上が「顧客情報管理ツール」(51.7%)を利用しており、「ヘルススコア管理ツール」(34.5%)、「オンボーディング管理ツール」(33.9%)と続いた。
【調査実施概要】
「2024年カスタマーサクセスに関する調査」
調査方法:インターネットアンケート
調査実施期間:2024年3月21日~3月25日
対象地域:全国
対象者:20歳から65歳の有職者(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、個人事業主・フリーランス、専業主婦・主夫、家事手伝い、学生を除く)5万3,110人