RPAテクノロジーズは、慈恵大学における研究「医師・病院業務等の働き方改革に関する研究:RPAの有効性の検討」においてRPAツール「BizRobo!」を提供したことを発表。
医療業界では、医師の過重労働対策の一環として、医師の間接業務を事務職員へタスク・シフティングしていくという施策が国家レベルで検討されている。しかし、事務職員の業務負荷も高く、また、人員不足などによっても円滑なタスク・シフティングが実現できていない現状にありる。
そこで、慈恵大学ではRPAを活用し、まずは事務職員のタスクを軽減する事を検討した。本研究では、外来患者数報告業務および未作成・未承認の退院サマリ抽出業務ロボットを構築し、ロボットによる業務代替の所要時間を計測。ロボット稼働時においては、職員が業務を行う場合と比較し、約90%の業務時間の削減効果が得られた。
このように医療事務の効率化範囲を拡大していくことで創出された時間を活用し、事務職員の医師からの間接業務のタスク・シフティングを推進し、医師の過重労働対策の一環として取り組むことが可能となる。
医療業界では、昨今、永続的な人手不足により、本来であれば当然実施すべき業務に手が届いていない状況にあるという。慈恵大学では、業務の省力化を目的としたRPAの活用に留まらず、医療の質の向上を目指し、RPA導入の可能性を検討している。
具体的には、昨今社会問題となりつつあるMRやCTなど画像診断、内視鏡検査及び病理検査などで要注意所見の検査結果がそのまま放置されていないかどうかをチェックする「検査漏れ防止支援ロボット」を構築した。
本成果は医療におけるAIによる画像診断など、AIの活用の次に来る大波として2018年11月の北米放射線学会にて教育展示され、「Certificate Of Merrit賞」を受賞し、グローバルでも高い評価を得たという。
上記の研究については、RPAテクノロジーズと医療分野の戦略的パートナーであり「BizRobo!」の販売代理店でもあるスカイライトコンサルティングと2018年10月から共同研究を実施してきた。
慈恵大学の中田典生准教授は以下のようにコメント。
「これまでAI×医療でどのような可能性があるかを研究・開発してきました。AIはエンジンであり、医療業務との直接のインターフェスとなるRPAとの組み合わせにより、医療の在り方を抜本的に改善する事が可能であります。令和元年をRPA元年と位置付け、今後もRPA研究の開発を継続し、成果を学内外に発信していきます」(慈恵大学 ICT戦略室 室長 中田典生准教授)
RPAテクノロジーズおよびスカイライトコンサルティングは、BizRobo!のサービス提供に加えて、医療業界に特化したRPAに関する研究会や協会設立などのコミュニティづくりにも注力し、上記のようなソリューションを医療機関同士で共有していくなどの横連携を支援していく。