リクルートマネジメントソリューションズは、300名以上の企業で働く非IT職の正社員228名に対し、「非IT職のデジタルリスキリングに関する実態調査」を実施し、「取り組みのきっかけ」や「上司の働きかけ」など、調査結果から見える実態について公表した。
調査概要
学習のきっかけ
最近2~3年で新しくデジタル・ITの知識・スキルを学んだきっかけについてたずねたところ、「経営層や上司からの要請があったから」「昇給や昇進に役立つから」は、製造に比べ非製造で割合が高く、有意な差が見られた。
学習内容
最近2~3年で新しく学んだものについてたずねたところ、「Excelなどによるデータ管理、データ可視化」は製造のほうが非製造よりも有意に選択率が高かった。逆に「社会の変化とデータ・AI活用の意義」は非製造のほうが製造よりも、有意に選択率が高かった。
業種・職種別の学習内容の特徴語分析
最近2~3年で新しく学んだデジタル・ITの知識・スキルの内容についてたずねたところ、次のような結果となった。
具体的な学習内容とその理由(自由記述結果を抜粋して分類)
具体的な学習内容とその理由について、代表的なものを抜粋した。業種・職種の特徴を背景に、業務上の課題、経営層や上司からの要請、個人の興味関心に応じて、それぞれ異なる学習内容を選択していることが確認できる。
学習機会
新しくデジタル・ITの知識・スキルを学ぶのに、どのような機会を活用したかたずねたところ、製造・非製造の選択率に有意な差はあまり見られなかった。選択率にもっとも差が見られたのは「勤務先が提供・費用補助する学習プログラム(全社員必修)」で、非製造のほうが製造より高かった。
企業のリスキリング支援と上司のDXリーダーシップ(学習効果高・低群別)
上図のとおり、企業のリスキリング支援と上司のDXリーダーシップは、学習効果と関係が見られた。(学習効果は、「新しい知識やスキルを身につけられた」「今後の仕事に役立てられそうだと思った」など7項目6件法から構成(α=.90))
学習効果の高群・低群別に見ると、「企業のリスキリング支援」では高群が2.74、低群が2.44、「上司のDXリーダーシップ」では高群が4.11、低群が3.48と、両者とも統計的に明確な差が見られた。
学習効果に影響を与える要因(学習効果に対する重回帰分析)
「学習効果」を目的変数、「企業のリスキリング支援」と「上司のDXリーダーシップ」を説明変数として、「年齢」「役職」「本人のデジタル関心」を統制して行った重回帰分析の結果である。「上司のDXリーダーシップ」は、製造、非製造いずれにおいても、学習効果に対し有意に影響することが示された。
また、「企業のリスキリング支援」は、非製造において、同じく学習効果に対し有意に影響することが示されたが、製造においては明確な影響は確認されなかった。
学習を進めるのに重要だと思うこと
学習を進めるのに重要だと思うことについては、選択率には差が見られるものの、製造・非製造ともに「学んだことがどのような課題解決に役立つかイメージできる」がもっとも多く選択されている。