リクルートマネジメントソリューションズは、企業の人事担当と管理職(マネジャー・課長・部長)300人を対象に「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2022年」を実施。その結果を発表した。
調査概要
調査結果
人事担当者に会社の組織課題をたずねた。1位「1.新価値創造・イノベーションが起こせていない」(66.7%)、2位「2.次世代の経営を担う人材が育っていない」(66.0%)、3位「3.難しい仕事に挑戦する人が減っている」(64.0%)という結果になった。
管理者層に会社の組織課題をたずねた。1位「2.次世代の経営を担う人材が育っていない」(64.7%)、2位「4.ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」(62.0%)、3位「1.新価値創造・イノベーションが起こせていない」 (60.0%)という結果になった。
人事担当者に「管理職に期待していること」をたずねた。その結果、「1.メンバーの育成」(42.7%)がもっとも多く、「2.業務改善」(26.7%)、「3.担当部署のコンプライアンス・勤怠管理の徹底」(23.3%)と続いた。
管理職層に「管理職として重要な役割」をたずねた。その結果、「1.メンバーの育成」(46.0%)がもっとも多く、「5.担当部署の目標達成/業務完遂」(32.0%)、「2.業務改善」(30.7%)と続いた。
管理職層に、日々の管理職業務で困っていることをたずねた。その結果、「1.業務改善」(48.0%)「2.メンバーの育成」(44.0%)「3.目標達成のための業務推進」(35.3%)が上位にあがった。
管理職層には「管理職業務で困っていることに対して周囲に求めるサポート」を、人事担当者には「すでに実施しているサポートと、これから実施を検討しているサポート」をたずねた。
「管理職の役割」として1位にあがった「メンバーの育成」について、「A.研修などでのインプット」(28.8%)や「B.上司や人事からの具体的なアドバイス」(25.8%)の選択率が高く、「すでに実施しているサポート」としての選択率も高くなった。
「管理職層が困っていること」の選択率で1位にあがった「業務改善」について、「G.外部の専門家によるコーチング」(31.9%)がもっとも多くなった。
「A.実行型のマネジメントが適する組織」と「B.自律共創型のマネジメントが適する組織」について調べた。「A.実行型のマネジメントが適する組織」は、方針や仕事の進め方は固定的で、決定した目標を効率的に実行していくことが業績達成へとつながり、「実行型」のマネジメントが有効である。一方「B.自律共創型のマネジメントが適する組織」では、先が読みづらく変化のスピードが速い環境下にあり、その変化に合わせて個人や組織が学習しながら自律して判断をしていく「自律共創型」のマネジメントが有効である。
管理職が担当している組織について「A.実行型のマネジメントが適する組織」と「B.自律共創型のマネジメントが適する組織」のどちらの傾向が強いかたずねた。昨年と比較して、「1.外部環境の複雑性」と「3.上位方針の曖昧性」の項目について、「Bに近い/どちらかといえばBに近い」という回答の選択率が高くなった。
Bの自律共創型のマネジメントが適する組織の特徴は、「1.自組織を取り巻く環境の変化はめまぐるしく、ほとんど予測が立たない」「3.上位方針や戦略が抽象的で、自組織で取り組むことは自分たちで考えて設定することが求められる」だった。
管理職に、自律共創型組織への移行度についてたずねた。
「2.自分の所属組織は自律共創型組織であることが必要だと思う」という設問に対して、全体の65.7%が「そう思う」「ややそう思う」と回答した。
「3.実際に自律共創型の組織運営に取り組んでいる」という設問に対して、47.4%が「そう思う」「ややそう思う」と回答した。
管理職層に、自律共創型組織に向けた組織運営の実施状況をたずねた。その結果、「行っている」の回答率は「2.組織のビジョンを自分の言葉でメンバーに語る」(22.4%)がもっとも多くなり、「6.メンバー同士の自発的な情報共有や相互のサポートを促す」(20.9%)が続いた。
自律共創型組織に向けた組織運営について、難しいと感じていることをたずねた。その結果、「1.あいまいな状況の中でも先を見て、組織のビジョンを打ち出す」(25.0%)、「6.メンバー同士の自発的な情報共有や相互のサポートを促す」(18.8%)が上位にあがった。