デロイトトーマツは、日本、米国、英国企業の経営テーマにおける注力分野の動向を把握する目的で、有価証券報告書やForm 10-K、Annual reportをテキストマイニングで分析したレポート「テキストマイニングを用いた日米英における有価証券報告書・年次報告書の開示動向調査」を発表した。
日本における有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて記載があったワードを分析した。2021年はCOVID-19関連のワードが多く見られたが、2022年は原材料価格の高騰、地政学、サプライチェーンといった観点が急増した。また、2021年に引き続きサステナビリティ関連のワードが増加した。
プライム市場に上場する調査対象企業1,743社のうち、2022年決算の有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」または「事業等のリスク」にて社会的価値・SDGs・ESGに言及した企業は1,282社(74%)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に言及した企業は504社(29%)であったところ、TCFD提言が開示を推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目に分けて自社の状況を開示した企業は137社(8%)となった。
なお、TCFDに言及する上場企業の割合は英国で38%、日本で16%、米国で3%となった。