パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、ビジネスパーソンと企業間における“転職や仕事に対する意識の差”などをはじめとした実情を明らかにする調査シリーズ「doda ビジネスパーソンと企業のギャップ調査」を始動することを発表した。
第1回では、転職を検討している/興味がある150名と1年以内に転職した100名(以下、個人)および企業の人事担当者200名(以下、企業)の計450名を対象に「ハイブリッドワーク」に関する意識のギャップを調査し、結果を公開した。
調査結果
企業側にハイブリッドワークの実施状況についてたずねた。「すでに導入している」「導入予定である」のは計56.5%、「導入意向がある」のは23.5%と、計80.0%が導入済みまたは導入意向があると回答した。
個人へもたずねたところ、「すでに導入している」「導入予定である」のは計43.6%、「導入してほしいと思う」のは39.2%と、計82.8%がハイブリッドワークを実施済みまたは希望していると回答した。
ハイブリッドワーク未導入の個人と企業へ、ハイブリッドワーク導入が勤続意向の変化にどのように作用すると考えるかたずねた。「勤続意向が上昇する」と回答した個人は計61.9%、「従業員の勤続意向は上昇する」と回答した企業は計50.4%と、それぞれ半数以上が勤続意向の上昇につながると回答した。
ハイブリッドワーク導入済みの個人・企業の両者に、ハイブリッドワークを中止することによる影響についてたずねた。企業の計47.0%が「従業員の勤続意向は低下する」と回答した一方、個人では「勤続意向が低下する」と回答した人は計27.1%となり、19.9ptの差が生じた。
ハイブリッドワークの有無が転職時の応募基準にどの程度関係するかたずねた。個人は全体で計68.0%が「重要視する」と回答、企業は計68.5%が「影響する」と回答した。
ハイブリッドワークの働き方をする上で強みとなると考えるスキル、または従業員に持っていてほしいスキルについてたずねた。
個人は「対面/オンライン問わないコミュニケーション能力」(48.0%)がもっとも多く、「ITスキル」(45.6%)、「臨機応変さ」(42.8%)、「タイムマネジメント能力」(38.4%)と続いた。
企業が従業員に持っていてほしいスキルは、「臨機応変さ」(59.5%)がもっとも多く、「対面/オンライン問わないコミュニケーション能力」(57.0%)、「課題解決力」(52.5%)、「主体的思考力」(50.0%)と続いた。
個人の回答と企業の回答を比較したところ、「主体的思考力」で20.0pt、「臨機応変さ」で16.7pt、「課題解決力」で19.3ptの差が生じた。
個人の転職検討/興味者と転職経験者の間では、転職経験者の方が「課題解決力」や「主体的思考力」が重要だと回答する割合が多くなった。
個人の中でハイブリッドワークを実施したことがある人に、ハイブリッドワークのメリット・デメリットをたずねた。メリットは「通勤時間の節約」(56.8%)、「個人時間の増加」(47.3%)が上位となった。転職経験者においてはとくにその傾向が強く、「通勤時間の節約」(65.7%)、「個人時間の増加」(60.0%)と、6割以上がメリットと考えていることがわかった。
デメリットは「コミュニケーション不足」(62.2%)がもっとも多く、「時間管理の難しさ」(31.1%)が続いた。転職経験者においても「コミュニケーション不足」(57.1%)にもっとも回答が集まった。
企業が感じるメリットでは、「全社的にデジタル化が促進された」(61.7%)にもっとも多くの回答が集まった。
デメリットは「コミュニケーションの不足」(53.1%)がもっとも多く、「部下のマネジメントのしづらさ」(44.4%)が続いた。
個人と企業へ、業務効率が上がると考える就業場所をたずねた。個人は、「自宅」(58.4%)がもっとも多く、次の「メインオフィス」(25.6%)と約2倍の差が生じた。
従業員の業務効率が上がると考えられ、業務を行ってほしい就業場所を企業にたずねたところ、個人の回答と同様に1位が「自宅」(51.0%)、2位が「メインオフィス」(41.0%)という結果に。その差は10ptとなった。
どのような設備があればオフィスで働く価値が向上するかを個人に、従業員の業務効率向上のために完備している設備を企業にたずねた。個人では「個室ブース」(個人:43.2%、企業:34.0%)へ、企業では「プロジェクターやホワイトボートが完備された会議室」(企業:38.0%、個人:18.4%)へもっとも多くの回答が集まった。また、「マッサージ室」(個人:22.8%、企業:10.5%)や「フィットネスジム」(個人:21.6%、企業:11.5%)の項目で個人と企業の回答に差が生じた。