日本IBMは、三井化学グループ全社でAIテクノロジー「IBM Watson」を実装したことを発表。これにより三井化学では、ニュース・SNS・特許といった外部のビッグデータを活用した三井化学製品の新規用途探索が可能となった。
三井化学の営業現場では、ニュースや消費者の声・特許等のビッグデータを活用できていない、消費者・製品メーカーのニーズやベネフィットと材料・素材の機能専門用語とを結びつけて営業・マーケティングに活用できていないという課題があった。
こうした背景から、今回、自然言語処理能力やテキストマイニングの技術を搭載したIBM Watsonを全社で実装。材料・素材の機能専門用語から消費者の声・特許等のデータとの相関を分析し、消費者・製品メーカーのニーズやベネフィットと結びつけることで新しい用途のブレインストーミングとなり、新しい業界や分野において根拠に基づく提案型の営業・マーケティング活動が可能となった。
これまでに三井化学では、4つの事業本部および新事業における実証実験の中で製品機能特性の深掘り・ビッグデータ抽出条件の最適化・固有辞書の構築・運用方法の確立などの開発を進めており、その結果、多くの新市場・新用途を発見してきた。
今後はMI(マテリアルズ・インフォマティクス)と連動させることで、市場開発から製品開発までのスピード加速実現を目指す。
三井化学 常務執行役員 CDO 三瓶 雅夫氏のコメント
今回の取り組みはAIの活用によって、トップラインを上げる、マーケットシェアを拡大することを目的としております。特許やニュース、SNS等の外部情報を活用して、自社固有の辞書を構築し、様々な材料・素材における新規用途を開拓します。これにより人間の先入観にとらわれない、既知の知見を超えた、材料・素材の用途探索におけるイノベーションを実現します。