MONは、従業員100名以上の企業に勤める人事・教育担当103名を対象に、コロナ禍における企業研修に関する調査を実施した。
「過半数をオンライン開催」64.1%も、「対面と比較して社員が理解できていないと思う」46.8%
2020年に実施した社員研修におけるオンライン・対面(オフライン実施)の比率を尋ねたところ、「すべてオンラインで実施した」は17.5%、「半分以上オンラインで実施した」は34%、「オンラインと対面半々で実施した」は12.6%と、計64.1%が「半数以上の研修をオンラインで実施した」と回答。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大にともない、研修においても多くの企業がオンライン研修を導入した様子がうかがえた。
一方で、「オンライン研修を実施した」という回答者を対象に研修を受けた社員の理解度を尋ねたところ、「対面時と比べて理解できていないと思う」という回答が46.8%、研修を受けた社員の満足度については「対面時と比べて満足できていないと思う」という回答45.5%と、それぞれ半数近い回答を集めた。
「オンラインになって実施しなくなった研修がある」は64.9%
「オンライン研修で人事・教育担当者として不安・不満に感じたこと」を尋ねる設問では、「社員同士の関係性が強くならない」が最多の53.2%。次いで「他者からの発見、気づき、刺激がない」が42.9%と、社員間での交流不足やそれにともなう気づきの不足を懸念する声が挙げられた。人事・教育担当者からの個別回答でも、「自分以外にほかの人の動きや様子を観察し、気づきを得るといったことや休憩時間等のコミュニケーションが補いきれない」「対面での研修が減ったことでコミュニケーション機会が少なくなり、例年に比べて新入社員同士での交流や情報共有があまりできていないように感じた」といった声が集まった。
内容面や理解度に関する不満を尋ねると「実施できる内容に限りがある」が41.6%、「社員が研修を真面目に受けているのかわからない」が40.3%という結果に。人事・教育担当者からの個別回答では「対面であれば、その時々の姿勢や反応や雰囲気等で理解度や満足度が体感できるが、オンラインではそのような雰囲気をくみ取るのが難しい」などの意見も寄せられた。
「対面研修からオンライン研修への切り替わりが進んだ結果、例年対面で行っていたにもかかわらず実施しなくなった研修」の有無を尋ねる問いでは、64.9%が「実施しなくなった研修がある」と回答。具体的には「ロールプレイング」や「グループワークによる演習授業」など、研修受講者間の会話や交流がポイントとなるような研修が挙げられた。
2021年「半分以上の研修をオンラインで実施予定」は1月初旬時点で50%弱
2021年に予定している社員研修に関して、オンライン実施と対面実施の比率を尋ねたところ、「すべてオンラインで実施する予定」が8.7%、「半分以上オンラインで実施する予定」が24.3%、「オンラインと対面半々で実施する予定」が16.5%という結果に。現時点で、半分以上の研修をオンラインで実施予定という声は計49.5%集まった。
なお、オンライン研修を実施する理由については、「新型コロナウイルスの感染拡大が気になるから」が70.6%と最多。一方、対面研修を多く実施する理由については「オンライン研修では実施できる内容に限りがあるから」が62.5と最多であった。
調査概要
- 調査名:コロナ禍における企業研修に関する調査
- 調査対象者:従業員100名以上の企業に勤める人事・教育担当103名
- 調査方法 :インターネット調査(2021年1月5日~7日)