ツールを活用するべき営業組織とは?
当社で実施した「営業組織における予算達成に関する実態調査」では、次のような結果が出ました。「あなたは、どのような方法で予算達成状況を把握していますか」(n=503)という問いに対して、約半数の企業が「Excelシートの運用」を利用していると回答したのです。
予算達成状況に限らず、売上情報などをExcelなどの表計算ソフトに営業部員1人ひとりが入力し、全員分が揃った段階で各リーダーが報告会議のための資料をあらためて作成し、会議の場に持ってくる手法をとっている組織も多いでしょう。
この運用方法の場合、マネージャーの思惑を反映した調整を行ってデータを変質させることもあるでしょう。また常に部下の報告(入力)と集計作業の間にタイムラグが発生するため、組織の状況をリアルタイムかつ正確に把握できているとは言い難い状況です。
営業人員が数十名を超え、管理対象の商談数が千を超えてくれば、案件管理や活動管理ツールの導入を検討することをおすすめします。数字の重複報告を減らすことができますし、うまく活用すれば週報や数値報告の自動生成によって会議時間や業務工数を短縮することも可能です。
これにより、営業1人ひとりが対応できる商談数も増えます。提案のための準備時間も増え、顧客への提案により集中できることで、成約率の向上も期待できます。
ただし、このような明確な導入成果が期待できないのであればツール導入は無駄になります。改善できるプロセスがあり、それを実現するための手段として有用であるという仮説があって初めてツールの価値を得られると私は考えています。