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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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「分業型営業の弊害」を乗り越え、ユーザー目線を取り戻す──電話ツールの移行から始まった営業組織変革

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 コロナ禍を経て本格的なオンライン化の波が営業現場にもやってきた。しかし、一度導入したツールや手法を見直さずにいれば、変化の激しいこの時代に成果を出し続けるのは難しい。そんななか、京都発のスタートアップ企業、Baseconnectはいち早く既存の営業ツールやプロセスを見直し、2021年7月に、クラウドPBXサービス「Zoom Phone」へのリプレイスに着手。なぜそのタイミングで、同ツールへの移行に至ったのか? 導入を牽引した同社の大原知花さんと中村正人さんに、導入前の課題感や検討ポイント、そして導入後に得られた成果を聞いた。

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バラバラなツール、割高なコスト…… 電話ツールを変える必要があったワケ

──まず、おふたりの役割を教えてください。

大原 Baseconnectは、法人営業の新規開拓を効率化するウェブサービス「Musubu」などのデータベースサービスを開発・提供しています。Zoom Phone導入当初の2021年ごろ、私はインサイドセールスチームのリーダーを務めながら、ビジネスオペレーション全体の業務効率化を図るための、ツールの選定や導入後のオペレーション設計などの業務を担っていました。現在はマーケティングチームに異動し、テックタッチの成約数を上げることをミッションに動いています。

Baseconnect株式会社 大原知花さん

中村 私は一貫して営業を担当しております。Zoom Phone導入当初はオンラインセールスで商談を担当しておりました。現在はインサイドセールスで、まさにZoom Phoneを使って営業活動をしています。

※Baseconnectのインサイドセールスとオンラインセールスの定義

  • インサイドセールス…主にメール、電話、ショート商談を用いてMusubuを提案し、オンラインセールスにトスアップする(顧客状況によりクロージングも担当)
  • オンラインセールス…インサイドセールスが創出した案件を受けとり、オンライン商談を用いてクロージングまで行う
Baseconnect株式会社 中村正人さん
(中村さんは関東圏から完全リモートワークで勤務しているそう)

──2021年7月にZoom Phoneへのリプレイスに着手されたとうかがっております。もともと利用されていたツールやその運用において、どのような課題があったのでしょうか。

大原 Zoom Phone導入前は、分析機能が非常に優れた電話ツールをインサイドセールスからカスタマーサクセスまでの全チームが利用していました。インサイドセールスとしては、当時はメンバーの育成が必要なフェーズだったこともあり重宝していたんです。

 しかし、オンラインセールスとしては、ウェブ会議ツールを用いた商談がメイン業務のため、電話ツールはあくまでサブのツール。その分析機能がリッチすぎたんですよね。使わない機能があっても毎月のコストは一定金額かかってしまっていたため、どうにかしたいと考えていました。

中村 私が当時、オンラインセールスの一員として抱えていた課題は、扱うツールの多さです。ツールAでコールし、オンライン商談のツールBを開き、商談管理のツールCを開いて……という手間がかかっていたため、オペレーションの面でも効率化できるとうれしいなと思っていました。

 それから、当時使っていた電話ツールは電話番号の発番単位で料金が発生する仕様だったため、オンラインセールスは代表電話番号をシェアせざるを得ない状況でした。お客様からの折り返しで取り次ぎが頻繁に発生していたため、個別番号がもっと気軽に発番できれば……と感じることが多かったですね。

──そんななか、新しい電話ツールとしてZoom Phoneを選んだ理由をうかがえますか。

大原 決め手は大きく分けて3つあります。

 1点めは、オンラインセールスが抱えていた利用ツールを減らしたいというニーズに応えてくれそうだったこと。Zoom Phoneなら、Zoomのアプリケーションだけを開いて、お客様に電話し、商談もできるため、使いやすくなると予想しました。

 2点めは、コストの見直しです。先ほども申し上げたとおり、オンラインセールスにとっては機能がリッチすぎてコストも割高になっており、費用対効果という意味でもZoom Phoneのほうが合っていると考え、導入に至りました。

 3点めは、既存ツールと同等レベルの音声品質を担保したかったことです。コストカットできても、音声品質が低下したり、回線が不安定になってお客様に不快な思いをさせることはしたくありませんでした。そこで、実際に私のスマホ宛てに既存ツールとZoom Phoneから電話してもらい、音質を確認してみたんです。その結果、既存ツールと比較し、Zoom Phoneでは「よりクリア」な音声でのやりとりができたため、安心して移行することができました。

──Zoom Phone以外の電話ツールとも比較検討されたのでしょうか。

大原 比較はしましたが、他社の多くのツールは「アカウント料+通話料」という料金体系なんですよね。通話した分の料金が毎月のコストとしてかかってきてしまいます。一方、Zoom Phoneの場合は、アカウント料の中に通話料が含まれているため、それ以上のコストはかかりません。その点が他ツールと比べて圧倒的でした。

お客様の「今聞きたい」にシームレスに応えることができる体制へ

──2021年夏にオンラインセールス部門でZoom Phoneを導入後、2023年春にインサイドセールスからカスタマーサクセスまでの全チームが導入されたそうですね。現在に至るまでに、どのような効果を得られたのかうかがえますでしょうか。

大原 まず、コスト面が大きく改善したと思います。たとえばオンラインセールスの電話コストを例に挙げると、Zoom Phoneでは、通話料込みの5アカウントの契約で月額約1万円。以前のツールが、アカウント料と通話料で月額約10万円かかっていたため、毎月約9万円のコストカットを実現できました。

 また、Zoom Phoneは、通話無制限プランのパッケージにはデフォルトで番号がひとつ付属するため、自動的に人数分の番号が発番される点も魅力的でした。オンラインセールスが抱えていた「代表電話からの取り次ぎ」という課題も解消され、お客様とセールスが直接スムーズにやりとりできるようになり、効率化されたと思います。

中村 効率化の点で言うと、スマホでも着信できるようになったのは良かったですね。以前のツールを使っていたときはパソコンで発着信していたため、パソコンを閉じていると応答できず、お客様になかなか折り返せずにお待たせしてしまうこともありました。Zoom Phoneにリプレイスしてからは、スマホでいつでも対応できるようになりました。シンプルな変化ですが非常に良かったと思っています。

 また、個人的によく使っているのが電話番号の連絡先登録。「◯◯社▲▲様」という連絡先登録が当時のツールではできなかったため、かかってきた番号をCRMで検索して特定する必要がありました。Zoom Phoneでは頻繁にやりとりするお客様の番号をかんたんに登録できるため、誰がかけてきたかが検索せずともすぐにわかります。

──以前は複数のツールを開く手間があったとうかがいましたが、Zoom Phoneを導入したことで営業活動がスムーズになった実感はありますか。

中村 私がインサイドセールスに異動後の話になりますが、インサイドセールスから商談への流れがスムーズになったのは大きかったです。

 インサイドセールスは電話(Zoom Phone)メインでお客様と話します。その際「オンライン(Zoom Meetings)で画面共有してほしい」というリクエストをいただいたときに、私がその場ですぐに商談をすることもあるのですが、Zoom Phoneがすでに立ち上がっている状態ですので、ワンタッチでミーティングに移動し、素早くURLを発行できます。もし別の電話ツールを使っていれば、あらためてZoom Meetingsを立ち上げる手間が発生してしまいます。

大原 たしかに、そこも大きく効率化できた部分ですよね。

 従来は、インサイドセールスがひたすらコールして、オンラインセールスにパスするというフローでした。しかし、「今(オンラインセールスから)話を聞きたい」というお客様もいますし、がっつり1時間のオンライン商談ではなく、10分だけ画面共有してもらいたいお客様もいらっしゃるんです。

 そこでインサイドセールスが、「オンライン(Zoom Meetings)で画面共有してサクッと話しましょうか」と対応できることは、お客様にとって、スムーズで心地良い体験になります。そこに応えるための動きが、Zoomのアプリを開いている状態だとやりやすくなりました。

──なるほど。Zoom MeetingsとZoom Phoneは同じアプリで立ち上げることができる。だからこその利点があるのですね。一方、使い慣れていた従来のツールから別のツールへの乗せ換えとなると、現場では戸惑いも生じそうですが、どのようにして組織にZoom Phoneを浸透させていったのでしょうか。

大原 いきなりすべての部署でリプレイスしたのではなく、段階的に導入したことで、うまく浸透が図れたのではないかと思います。まずはZoom Phone導入のメリットを享受しやすそうなオンラインセールスチーム、その次はサポートや計上業務を行う部署、最後にインサイドセールスチームという流れで導入しました。

 リスクを考慮したうえで段階的に導入をしたのですが、リスクとして考えていたのはふたつです。

 ひとつめは、代表電話番号が変わる点。仕様上、既存ツールからZoom Phoneに代表電話番号を引き継ぐことが当社の場合はできませんでした(※)。代表電話番号が変わってしまうことで、お客様にはご迷惑をおかけします。それ以外の部分では極力お客様にご迷惑をおかけせぬよう、体制・運営面の安定性を段階的にとりたいと考えました。

※利用番号がNTT東日本/西日本 発番の番号であれば番号ポーティングが可能

 ふたつめは、050発番によるインサイドセールスの着電率の低下。03などの市外局番ではなく、050発番になることで、お客様へのお電話の着電率が落ちるのではないかという懸念がありました。しかし、050番号が世の中で浸透してきて、思っていたほど敬遠されていないことがわかってきたこと、メンバーもZoom Phoneに慣れ、電話転送などのオペレーションもスムーズにいくようになってきたことから、インサイドセールス部門もZoom Phoneに移行させる決断に至り、2023年春に全チームの導入が完了しました。

──リスクを少しずつつ解消していきながら、段階的にリプレイスされたのですね。中村さんは、Zoom Phone導入後に困ったことはありましたか。

中村 いや、なかったと思いますよ。普通の電話と変わらないし、シンプルでわかりやすい。使い方で困ったことはなかったです。

──現在、Zoom MeetingsやZoom Phoneと連携しているツールはありますか。

大原 まず、CRMツールと連携をしています。また、オンライン商談を書き起こし解析する「amptalk」(アンプトーク)というツールとも連携しています。インサイドセールスチームが、従来の分析機能が優れたツールを解約しても良いと判断できたのは、Zoom Phoneとamptalkの組み合わせで、やりたい分析ができることがわかったからでもあります。

中村 私は現在、amptalkを使ってZoom Meetingsでのオンライン商談のフィードバックをしています。これはメンバーの育成にも役立つんです。ただ録画できるだけでなく、自分と相手の発話の比率が出るため、どちらがたくさん話しているか、喋りすぎていないかを数字で確認できます。数字で明らかになるため、「ここを改善してください」と言いやすく、メンバーも納得しやすい。連携してもらって助かっているところです。

大原 あとは、Zoom Phoneとamptalkを連携することで、録音した音声に「ここ良かったよ」と“しおり”を挟むこともできるので、インサイドセールスのフィードバックや育成にもっと活かしていきたいですね。まだまだ活用の余地があると考えています。

中村 また、amptalkを連携することで録音の文字起こしが見られるのは非常に良いのですが、amptalkのアカウントがないメンバーもいるので、Zoom Phone単独でも文字起こしが見られると良いなと思っています。

 オンラインセールスにとっては、インサイドセールスがコールした内容を商談前にすべて聞く時間がないため、文章で読み込めると便利なんです。このあたりは、Zoom Phone側の今後のアップデートに期待しています。

分業型営業の弊害で見落とした「ユーザー目線」を取り戻す

──今後は、Zoom Phoneを活用してどのようなチャレンジを見据えていますか。

中村 インサイドセールスはコールをしてオンラインセールスにパスする部署、と捉えられがちですが、先ほども申し上げたような「インサイドセールスから商談への流れをシームレスにする」という取り組みを、Zoom Phoneを使って今まさに試行錯誤して行っています。

 お客様が情報収集中なのか、サービスを今すぐ必要としているのか、電話で感触をつかみます。さらにご自身で調べられる方なのか、サポートが必要な方なのかを読みとって、電話以上のサポートが必要そうであればその場でオンライン商談を提案するスタイルを追求しています。

大原 これは、SaaSビジネスの分業型営業にこだわりすぎたゆえに見落としてしまっていたユーザー目線を、もう一度取り戻す作業とも言えます。お客様としては、その場で10分画面共有をしてほしいだけなのに、インサイドセールスとしてはKPIとしてアポ数を追っているから、無理やりアポをとる。今聞きたいと言っているお客様に、翌日に30分の商談をしてしまっていたのが、以前の私たちの組織でした。

中村 以前のインサイドセールスは「アポをとる」「商談につなげる」ことをミッションにしていましたが、今は「お客様のサービス体験の入口」としての役割を目指しています。

──面白いですね。インサイドセールスは商談の設定数が目標になりがちだと思いますが、お客様の状況によっては「商談をとらない」という選択肢もあるという。

大原 そうなんです。今はアポよりもお客様のインサイトに注目するようになってきました。インサイドセールスは、お客様の定性情報を得られるため、市場の変化にも気づきやすいポジションなんです。「こういうニーズが増えてきた」といった感触を、事業企画室や開発にフィードバックしていくことも今後は重要だと思っています。

──最後に、今営業組織の中で、ツールやオペレーションを見直そうと考えている読者に向けて、アドバイスをいただけますか。

中村 お客様の体験を向上できそうなサービスを見つけたら、話だけでも、サクッと気軽に聞いてみるのが良いと思います。実際に私たちもZoomを提供しているZVC JAPANに問い合わせて丁寧に対応いただき、結果的に営業メンバーもお客様もハッピーになっています。加えて、オペレーションがどれだけ楽になるかも重要ですね。使って楽になるものじゃないと、社内で活用してもらえないので。

大原 組織のミッションや、そのミッションに合わせて組んだオペレーションフロー、メンバーのスキルレベルによって、適しているツールは異なります。同じやり方やツールを使い続けるのが楽なので、つい従来のものを使いがちですが、組織は生き物です。変化に合わせてツールの選定が必要だということを、改めてお伝えしたいです。

 そして最後に、お客様にどれだけ心地良い体験をしてもらえるかが重要だということ。

 日本では、昔から、働く(はたらく)とは、傍(はた)を楽(らく)にする。つまり、自分以外の誰かを楽にすることであり、自分以外の誰かを幸せにすることであると語り継がれてきました。

 私も、社内であったり、お客様であったり、自分以外の誰かが「楽」になる、もしくは、心地良いと思っていただけるような体験を提供したいと常に思っています。組織内でSaaSなどのツールを選定することも、その目標に向かう手段のひとつなのです。

 SaaSというのは、機能アップデートを繰り返し、プロダクトとしても成長を遂げていくものです。したがって、“傍を楽に”できる機能がアップデートされたり、新たなサービスが登場した場合は、積極的に利用していきたいと思っています。今回のZoom Phoneがまさにそれでした。

 また、そういったツールを導入することで、最新のUI/UXに触れ、お客様目線を学ぶこともできるんです。学んだことを自社プロダクトに反映することで、当社のツール「Musubu」のユーザー様にも、少しでも素敵な体験をご提供できたらと思っています。

──ありがとうございました!

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Zoom Phoneの導入事例とお客様の声

  • 「在宅勤務の障害になっていた固定電話から脱却し、自宅でも受発信できる電話環境が整備できたことが最大のメリット。初期費用がおそらく以前の10分の1以下、おそらく億円単位の費用削減になっているはず」(千代田化工建設株式会社 ITマネジメント部 北沢 浩之 氏)
    千代田化工建設の導入事例
  • 「クラウド PBXは、電話交換機を不要にし、自社のインフラや業務環境を柔軟にできるメリットもあります。例えば、弊社ではクラウドPBXの導入により、オフィスをフリーアドレス制に移行することができました。そうした業務環境の改善をのぞむ企業にも、Zoom Phoneはおすすめです」(明成通信株式会社 執行役員 井上 浩平 氏)
    明成通信の導入事例

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