五月病で営業の楽しさを知る前に退職してしまう新人
「新人営業スタッフとして配属された」もしくは「人事異動で営業職になった」というあなた。4月は気合で乗り越えてきたものの、5月に入ると疲れも出てくる。新しい環境への適応がうまくいかず、「モチベーションが上がらない」「なんだか気分がのらない」などと感じているころかもしれない。これが五月病の原因となる。
このモヤモヤを吹き飛ばすには、ちょっとだけ“考え方”を変えれば良い。その方法を知っているかどうかで営業活動への取り組みやすさは、天と地ほどの差になる。
私がハウスメーカーで営業スタッフをしていたころのこと。毎年、新人が入ってきていた。4月は緊張感もあるし勢いもある。結果が出なくても、お客様からキツイ断りを受けてもそれほどダメージを受けていない。
しかし、少し時間が経つと状況が変わってくる。無我夢中で取り組んでいた新人営業スタッフたちも1ヵ月を過ぎたあたりから「こんなことをやっていて本当に契約が取れるのだろうか……」「営業なんて続けられるだろうか……」と不安が頭をよぎるように。
元気だった営業スタッフもだんだんと元気がなくなり、体調を崩し休みがちになってしまう。いわゆる五月病で、そのうち何人かは会社から姿を消していった。
営業活動でお客様から喜ばれる素晴らしさを知らずに辞めていく。これは会社としてもダメージが大きいし、退職した本人にもメリットがない。完全に営業が向いていないのであれば仕方がないが、「もう少し続けていれば結果が出たのに」と思えた新人も少なくなかった。
どんな出来事も短期的に判断することはできない
これは新人営業スタッフだけの話ではない。私自身も新年度になると心機一転、やる気を出していた。しかし、1~2ヵ月経つころには「今期もダメだな」と思うように。こうなるとやる気は右肩下がり。気分は優れず、体調も壊しがちになったものだ。
5月下旬から6月にかけてやる気が落ちてしまったのでは、年度のノルマが達成できるわけがない。新年度のモチベーションを維持し続ける工夫が必要だ。私は長年同じ過ちを繰り返しながらやっとのことでモチベーションの維持できるようになった。
「ものは考えよう」という言葉はよく聞くだろう。物事はなんでも考え方次第で、良くも悪くも解釈できる。 「人間万事塞翁が馬」ということわざもあるように、一見不運に思えたことが幸運につながったり、その逆に幸運が不幸につながったりすることもある。目の前で起こったことを短期的に判断はできない。
「プラス思考・マイナス思考」と言うとピンとくる方もいるかもしれない。あたりまえのことだが、意外とこれを重視している人は少ない。起こった出来事にどのように意味を持たせるかによってモチベーションは180度違ってくる。いくつか例を挙げて説明しよう。