エン・ジャパンは、運営する人事向け情報サイト「人事のミカタ」上でサイトを利用している企業の人事担当者を対象に「副業・兼業」についてアンケート調査を実施。321社から回答を得た。
46%が社員の副業・兼業を認めていると回答 業種別では「 IT・情報処理・インターネット関連」がトップ
「現在、社員の副業・兼業を認めていますか?」と質問したところ、約半数の46%が「認めている」(認めている:17%、一部認めている:29%)と回答した。
業種別に見ると「IT・情報処理・インターネット関連」が60%(認めている:31%、一部認めている:29%)でトップに。
認めている理由を質問すると、もっとも多かったのは「社員の収入増」で58%。次いで、「社員のモチベーション向上」が37%、「働き方改革の推進」が36%という回答だった。
副業・兼業を認めたことで良かったこと、困ったこといずれも「特にない」がもっとも多い
副業・兼業を容認している企業に副業・兼業を認めてよかったことを質問すると、トップは「特に良かったことはない」で43%。次いで、「社員のモチベーションが向上した」が23%、「離職率が低下した」が15%という回答だった。
困ったことについても質問すると、「特に困ったことはない」が66%でもっとも多かった。そのほか「労務管理が煩雑になった」(14%)、「本業がおろそかになった」(11%)などの声もあがった。
それぞれの具体的なエピソードは次のとおり。
【副業・兼業を認めてよかったこと】
- 社員の副業によって顧客サイドの状況の解像度が上がった(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
- 他の会社を見ることで、働いている自社の良さを認識してもらえた(サービス関連/100~299名)
- 製造現場の一般職に限って兼業を認めているが、今までよりも手際が良くなる、効率的な作業手順を意識する、礼儀作法を覚え言葉遣いが良くなるなどの変化があった(メーカー/100~299名)
【副業・兼業を認めて困ったこと】
- アルバイト・パートの掛け持ちの場合、副業先のシフトが優先になると困る(サービス関連/30~49名)
- 副業者の出勤管理の工数が増えた(商社/100~299名)
- 夜間や土日も働くことで疲労が溜まり、今までよりも病気をしやすくなる、日中の集中力が欠けるなどの弊害が出た(メーカー/100~299名)
副業・兼業禁止の理由、過半数が「本業に専念してもらいたいから」「社員の過重労働に繋がるから」と回答
副業・兼業を禁止している企業に理由を質問すると、「本業に専念してもらいたいから」が78%、「社員の過重労働に繋がるから」が62%という回答だった。
18%が副業・兼業で働く人を受け入れていると回答 受け入れている理由、6割以上が「慢性的な人手不足の解消のため」
「現在、社外から副業・兼業で働く人を受け入れていますか?」と質問すると、全体の18%が「受け入れている」と回答した。
受け入れている理由のトップは「慢性的な人手不足の解消のため」(63%)となった。副業・兼業人材の受け入れによって得られた具体的なメリットは次のとおり。
【副業・兼業人材の受け入れによって得られた具体的なメリット】
- 必要な部分のみ働いてくれているため、人件費の無駄がないこと(IT・情報処理・インターネット関連/1~9名)
- 人手不足の解消、自社に足りない知識の補完ができること(サービス関連/300~999名)
【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:「人事のミカタ」を利用する企業
有効回答数:321社
調査期間:2024年4月17日~5月14日