タナベコンサルティングは、同社主催「幹部候補生スクール」に参加の幹部・リーダー人材などを対象に実施した「2023年度 幹部アンケート調査」の結果を発表した。
調査概要
- 調査対象:タナベコンサルティング主催「幹部候補生スクール」に参加の幹部・リーダー人材
- 調査期間:2023年5月18日~2023年6月21日
- 調査エリア:全国
- 有効回答数:727件
幹部が抱えている一番の課題・悩みについて、半数以上が「部下育成」と回答
幹部が抱えている一番の課題・悩みについてたずねると、「部下育成(51.6%)」が半数以上で最多となり、次いで「生産性・業務効率の向上(39.5%)」「自部門(会社)の業績アップ(34.8%)」が続いた。また、「組織活性化(31.1%)」「チームワークの強化(22.1%)」「部下とのコミュニケーション(13.6%)」も上位に入るなど、組織活性化のために社員のモチベーション向上やチームビルディングの醸成が求められていることがうかがえる。
自部門における一番の課題・悩みは「目標意識に個人差がある」が4割以上で最多
自部門における一番の課題・悩みについてたずねると、「目標意識に個人差がある(44.6%)」という回答が最多となった。目標意識のバラツキを解決していくことが求められていると言える。次いで「人手不足(34.1%)」「効率化が図れていない(27.5%)」となり、前設問の「幹部が抱えている一番の課題・悩み」の回答にも上位に挙がっていた「生産性・業務効率の向上」を重要な課題として捉えられていることがわかる。
自社における課題は「人材育成・活躍」が6割以上で最多
自社における課題についてたずねたところ、「人材育成・活躍(64.0%)」が最多となり、2番目の「生産性の向上(27.9%)」と倍以上の差をつけた。
前設問の「幹部が抱えている一番の課題・悩み」「自部門における一番の課題・悩み」に続き、人材育成に関する回答が多くなっており、人的資本経営の重要性が叫ばれる今、今後の未来に向けて多くの企業が取り組んでいくべき重点課題となっていることが見てとれる。
また、「生産性の向上(27.9%)」「部門間連携(22.1%)」という結果から、組織力・生産性向上のためにも部門間連携を促進していくことも重要な課題となっていることがうかがえる。
目指したいポジションは「上級幹部クラス」が約4割と最多
目指したいポジションについてたずねたところ、「上級幹部クラス(39.5%)」がもっとも多く、次いで「役員クラス(29.1%)」が続いた。2019年度と比して「上級幹部クラス」は減少している一方、「役員クラス」は増加していることが見てとれる。
また、「管理職ではない専門職」が2019年度の同設問の回答と比して1.5ポイント減少していることに加え、「あまり上の立場にはなりたくない」という回答は3.2ポイント増加していることから、本人の今後のキャリアプランと合わせた育成が求められることがうかがえる。
幹部として求められている能力は「指揮・統率力」「部下育成力」「戦略構築力」
幹部として求められる能力と自身の現状についてのアンケート結果を見ると、リーダーとして上司から求められている能力の上位3項目「指揮・統率力」「部下育成力」「戦略構築力」は、多くの幹部が自身に不足していると感じていることがわかった。
また、不足していると感じる能力では「創造力・企画力(58.1%)」が最多となり、次いで「戦略構築力(53.3%)」「部下育成力(42.4%)」が続いた。多くの幹部が課題として感じていることがうかがえる。