エクサウィザーズは、生成AIに関するセミナーの参加者を対象に利用実態のアンケートを実施した。
アンケート概要
今回のアンケートは「生成系AIがもたらす3つの経営インパクト」のセミナーに参加した514人、274社を対象に実施。参加者は、業種別では製造がもっとも多く、次いで専門サービスが続く。
部門別ではDX部門がもっとも多く、それに次ぐITや経営企画部門以外にも、管理や営業部門など幅広い業務において生成AIに関心が集まっていることがうかがえる。
また、部課長クラスが50%、経営層が25%強と、生成AIに対するマネジメント層の関心の高さも映し出された。
アンケート結果(一部抜粋)
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3分の1が利用、2割強は試していない
今回調査を実施するにあたり、同社は「ChatGPT」など生成AIの利用状況を、レベル1(関心なし)、レベル2(関心はある)、レベル3(試しに利用)、レベル4(時々使用)、レベル5(業務に取り入れて日常的に使用)の5段階に分類した。
その結果、レベル5の「業務に取り入れて日常的に使用している」と、レベル4の「時々使用している」を合わせると約3分の1が利用していることが判明した。
一方で、レベル1とレベル2を合わせた「試していない」層も2割強いることがわかった。
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金融は9割以上が自ら試す 製造での導入は後れる
利用状況は業種によって異なることも明らかになった。レベル5の「日常的に使用」は、専門サービス(22.2%)、サービス(13.6%)、IT/Webサービス(12.5%)において1割を超えた。卸・小売も7.7%と平均を上回った。一方で製造(2.8%)や建設(0%)、電気・ガス・運輸等(0%)においては、日常的な本格利用が後れている実態も明らかとなった。
レベル3、4、5の「何らかの形で使用したことがある」層を集計すると、金融・保険が9割以上となり突出している一方、製造は約3割(27.6%)の層が使っていないことも浮き彫りとなった。
また、業種ごとに異なる活用・非活用の背景にある要因を、同社は次のように分析している。
- 専門サービス:コンサルティング会社の比率が高く、調査・分析業務で活用
- サービス:生産性向上での活用を掲げる回答者が多いが、新規事業は高くない。人材サービスの参加者が多く、生成AIの人材スキルへの影響に関心が高い
- IT/Webサービス:生成AIが自社のソリューションやサービスに密接に関連して積極的に活用
- 金融・保険:大手金融機関での活用が相次いで発表されており、各社で利用意向が増している
- 卸・小売:新規事業や顧客接点の改善での活用比率が高く、顧客とやりとりする取引データの活用などを検討
- 製造: 本社、研究・開発、工場などさまざまな事業拠点・機能があり、企業利用として統一の利用方針を打ち出すのが難しい
(出所:エクサウィザーズ)