Udemyは、法人向け学習プラットフォーム「Udemy Business」を利用する世界の企業の学習行動データをもとに「2023年職場における学習トレンドレポート」を公開。従業員にもっとも学ばれているスキル・前年と比較して学習時間が急上昇したスキルを発表した。
分析方法
学習時間上位スキルランキング:
2021年7月1日~2022年7月1日において、すべての講座でUdemy Business学習者の合計学習時間を計算し、学習時間上位のスキルを算出。合計時間がもっとも高い講座を1位として学習時間上位ランキングを作成した。
急上昇上位スキルランキング:
2021年7月1日~2022年7月1日において、2020年7月1日~2021年7月1日における合計学習時間と比較した増加率を計算。増加率がもっとも高いものを1位として急上昇ランキングを作成した。
ビジネススキル(パワースキル)のトレンド
- ハイブリットな働き方に合わせた新しいコミュニケーションスキルの需要増
- ツールを駆使してチームのアジリティを強化
もっとも合計学習時間の多かったスキル上位10のうち、1位の「コミュニケーションスキル」をはじめ、コミュニケーションまたはリーダーシップに関するものが半数に及んだ。残り半数はプロジェクト管理、運用、ツールに分類されるスキルが挙がり、なかでも、短いサイクルを繰り返してソフトウェアを開発する概念「アジャイル」が4位、その手法のひとつである「スクラム」が5位という結果になった。
急上昇上位スキルランキングでは、「顧客体験管理」が前年比449%で1位となったほか、「非言語コミュニケーション」が前年比268%で2位、「ビジネスコミュニケーション」が211%で6位にランクインするなど、合計学習時間と同じくコミュニケーションに関するスキルが上位に上がった。また、ソフトウェア開発のためのスクラムの認定資格である「Professional Scrum Product Owner」が194%で8位となった。
テクノロジースキルのトレンド
- クラウドサービス関連のスキルが合計学習時間上位を占める
- データ分析に続き、アプリを開発する非IT従業員の台頭
クラウドサービスのAWS(Amazon Web Services)に関係するものが学習時間上位10のうち4つを占めた。
急上昇スキルランキングでは、シチズンデータサイエンティストの増加を背景に、データ分析プラットフォーム「Databricks」が前年比2,161%で1位となった。そのほか、ローコードでアプリを作成できるツール「Microsoft Power Platform」が5位(前年比439%)にランクインするなど、シチズンデベロッパーの台頭により、簡素なコードでアプリを構築できるスキルの学習時間が急増した。
パーソナルスキルのトレンド
- 職場でのレジリエンスを高めるスキルが人気
- 英語関連のスキルが急上昇、合計学習時間ともに上位を占める
- 新たなる職場を求めて就職活動のスキルが需要増
合計学習時間上位スキルランキングでは「個人の生産性」「時間管理」「自信」、急上昇上位スキルランキングでは「意識」「自尊心」「グロースマインドセット」など、自己認識や生産性を高めるスキルがランクイン。急上昇上位10位のうち3つ(TOEIC、英会話、英語の語彙)、学習時間上位スキルのうち4つ(英語、英文法、IELTS、ビジネス英語)が英語のスキルに関係するスキルとなった。また、急上昇上位スキルランキングでは、「就職活動」が前年比495%で2位に上がった。
アジア太平洋でのトレンド
- 技術進歩と自動化の加速に併せてテクノロジースキルがランキングをほぼ独占
日本を含むアジア太平洋地域(APAC)の30の国や地域(※1)では、テクノロジースキルが合計学習時間上位10を独占し、急上昇上位スキルランキングでも8つを占めた。
※1:アジア太平洋対象国・地域:アフガニスタン、オーストラリア、バングラデシュ、ブータン、ブルネイ、カンボジア、中国、フィジー、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モルジブ、ミクロネシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、サモア、シンガポール、ソロモン諸島、スリランカ、台湾、タイ、トンガ、ベトナム