労務行政研究所は、東証プライム上場企業を対象に、主に年間協定ですでに決定している2022年年末一時金(賞与・ボーナス)の妥結水準について調査を実施。その結果を発表した。
調査・集計要領
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調査対象
東証プライム上場企業(2022年8月31日現在で1,836社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持株会社が東証プライム上場企業の場合、その主要子会社は集計対象としている。なお、図表中の「商業」は卸売業、小売業。「情報・通信」には、IT関係のほか、新聞、出版、放送を含む。[図表1、3]の業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている。
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集計社数
2022年春季交渉、もしくは同年夏季交渉時までに、主に年間協定で2022年の年末一時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握した184社(月数集計は188社)。
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集計対象範囲
「2022年年末」「2022年夏季」「2021年年末」の三者の金額または月数が把握できた企業。原則として組合員ひとりあたり平均。ただし、一部「年齢ポイント」「標準労働者」「全従業員平均」による妥結額・月数も集計に含む。
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集計方法
単純平均(=各社のひとりあたり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した)
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調査時期
2022年3月16日~9月14日
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調査方法
主要単産に取材し、各単組の妥結データを収集した。
調査結果のポイント
2022年年末一時金の支給水準
東証プライム上場企業の全産業ベース(184社、単純平均)で78万6,945円、対前年同期比で8.5%増。産業別に見ると、製造業は同10.3%増、非製造業は同1.9%増。
妥結額の推移
各年9月時点の集計で見た年末一時金妥結額は、2019年の74万7,808円(対前年同期比0.1%減)以降、コロナ禍の影響で2020年に74万3,968円(同3.2%減)、2021年に71万5,553円(同1.9%減)と3年連続のマイナスであったが、2022年は78万6,945円(同8.5%増)と2018年以来4年ぶりに増加した。
妥結月数の水準
全産業188社の平均で2.56ヵ月。同一企業で見た場合、前年同期(2.34ヵ月)を0.22ヵ月上回った。最高月数は5.02ヵ月と前年同期(3.80ヵ月)を上回り、最低月数も0.75ヵ月で前年同期(0.60ヵ月)を上回る。