DNX Venturesおよびアメリカセールスフォース・ドットコムの戦略投資部門である Salesforce Venturesは、国内スタートアップ企業39社を対象とした「新型コロナウイルスのSaaS企業への影響に関する実態調査」の結果を発表した。同調査では、DNX VenturesとSalesforce Venturesが共同で、両社の出資先である国内のBtoB SaaSスタートアップ企業を対象に実施したもの。
約9割がコロナ禍の影響で営業戦略を調整
「コロナ禍の影響が相対的に少ない顧客業界へフォーカス」した企業は約半数。そのほか、「既存顧客のアップセルへの注力」「エンタープライズ向け営業に注力」など約90%の企業が何らかの営業戦略の変更を行っていた。
本年度通期の受注見通しが「25%以上減る」企業は18%
本年度の受注見通しがコロナ前対比より25%以上減ると回答した企業は18%、横ばい・増加が見込まれている企業は33.4%に。コロナ禍を契機に、国内でもDXの推進がトレンド化した影響が大きく、国内SaaS企業がDX推進の機運にチャンスを見出していることが推察される。
約半数が新規顧客のパイプラインに「変化無し」または「増加した」
2020年3月以降の新規顧客の営業パイプラインに関して、「変化無し」もしくは「増加した」と回答した割合は約半数の49%。
約70%のBtoB SaaSスタートアップ企業が新たな収益機会を見出せたと回答
コロナ禍の環境下で「自社の新たな収益機会を見出せた」と回答した企業は約70%と、未曽有の事態を受けて、過半数が新たなビジネスチャンスを見出している状況が読み取れる結果に。
「コロナがDXを加速させ、自社の事業にとって追い風になると考えている」企業が約97%
コロナ影響がDX加速させ自社にとって追い風と答えた企業は、39社中38社にあたる97%にのぼった。コロナ禍を契機に、グローバルスケールでDXはさらに加速していくと見て取れ、調査対象企業の期待値の高まりがうかがえる。
調査概要
- 調査方法:企業へのアンケート送付
- 調査対象:DNX VenturesとSalesforce Venturesの両社の出資先である国内のBtoB SaaSスタートアップ企業
- 有効サンプル:39社(50社に送付、回答率78%)
- 調査期間:2020年7月下旬~8月初旬