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SalesZine Day 2025 Summer

2025年7月24日(木)13:00~18:20

訪問しなくても売れる!菊原氏が営業スタッフに贈るアドバイス

怒っている人より怖い! 情報化社会では“サイレントクレーマー”に注意せよ

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油断が命とり!「サイレントクレーマーへの対処方法」

 サイレントクレーマーは、基本的に表情も穏やかで口調も冷静。だからこそ、営業スタッフとしてはついつい軽視してしまう。

「この方はあまり怒っていないな」

「このくらいの不満なら、大きな問題にはならないだろう」

「この仕事が終わってから対処しよう」

 などなど。こういった油断が命とりなる。私も過去、このタイプのお客様に痛い目を見せられたことがある。

 ハウスメーカー時代のこと。現場を見たお客様が普通の口調で「この部分は思っているのと違うと思うのですが」と言ってきた。

 それに対して「写真や図面とはイメージが異なります。こんなものですよ」と返答をしてしまった。その場ではそれで済んだが、そのお客様がカスタマーセンターにクレームを入れた。社内的に大問題となり、対応チームが動くことになった。

 私への信頼はお客様からも社内からもガタ落ち。こうなってはじめて「なんであんな対応をしてしまったのが……」と頭を抱えたのだ。

 このケースは私の信頼がガタ落ちしただけで済んだ。さらに深刻なのがネット上への書き込み。こうなってしまうとダメージが永続的に続いてしまう。

 知人が経営する飲食店でのこと。あるお客様が店員に対して「スープがちょっとぬるいのですが」と言ってきた。穏やかな口調だったので店員は「味には問題ありませんよ。どうしますか?」と軽く対応した。

 その場では「大丈夫ですよ」と笑顔で帰っていったお客様。しかし数日後、口コミサイトには★1の評価と、詳細な不満のレポートがアップされていた。

 そのとき、知人のお店の近くにライバル店が出現していた。そこに★1の評価をつけられたことでお客様が半減する。それからは社員やバイトにクレーム処理を徹底させているという。幸い、今はなんとか客足が戻ってきたが、ひとつ間違えば店を閉めるところだったと語っていた。

 今の時代、お客様からの評価の影響力は大きい。なぜなら、私たちは“評価社会”に生きているからだ。

  • SNSでの投稿
  • 口コミサイトでの評判
  • インフルエンサーのコメント

 これらは確実に売上や信頼に直結する。お客様が“あなたの対応にどう感じたか”が数値化されて残り、拡散され、次の見込み客の判断材料になる。良い口コミもあれば、たったひとりのサイレントクレームが、未来の売上を大きく削る可能性があるということだ。

 では、今後あなたはどうすればいいのか? すべてのクレームに真摯に対応すること。怒っているか、怒っていないかで判断してはならない。どれだけ静かでも、お客様が何かを伝えてきたなら、それは“重要なメッセージ”なのだ。その声に、誠実に真摯に丁寧に耳を傾ける。そうすることで「対応に誠意があった」と評価される。

「この営業担当者は話を聞いてくれる」

「この会社は対応が丁寧だった」

 そんな感想が広がれば、ネットの評価も自然と上がり、あなた自身のブランド力も強化される。

 怒っている人だけがクレーマーではない。静かに失望し、静かに離れていく人ほど、真に怖い存在なのだ。今日からサイレントクレームにも全力対応するようにしていただきたい。

 あなたの誠実な対応は、未来の信頼につながる。その積み重ねが、圧倒的な営業力となっていくものだ。

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この記事の著者

営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役 菊原智明(キクハラトモアキ)

群馬県生まれ。大学卒業後営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。その後訪問から”営業レター”に手法を変えたことで4年連続トップの営業マンに。2006年に独立、講演活動、研修を行っている。2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を伝えている。2025年までに83冊の本を出版。ベストセ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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